北京オリンピックで正式種目に加わった「オープンウオータースイミング(OWS)」。海や湖、川などを舞台にした水泳競技だ。80年代に国際水泳連盟が競技化し、日本では96年に大会が始まった。
海上に設置されたブイをコースの目印にして一定の距離を泳ぎ、速さを競う。多くの大会は男女別で年齢区分がある。スタートとゴールは浜辺が多いが、ゴールは水中のこともある。距離は大会によってさまざまで、オリンピックでは10キロ。泳ぎ方は自由だが、ほとんどの選手がクロールを選ぶ。
この競技が室内の競泳と違うのは、自然の中で、選手同士が駆け引きしながらレースをする点だ。
前を泳ぐ選手から離れてしまうとコースを確認するために頻繁に顔を上げなくてはならず、再び追いつくことは難しい。先頭は最後に抜かれないよう、ラストスパートに備えて力を温存しながら泳ぐ。ゴール直前までは選手が鈴なりになって泳ぐのが、競技の基本的な流れだ。不慮の事故に備えて、ライフセーバーがつく。
牽制(けんせい)で、選手は体をぶつけあう。先頭がジグザグに泳いで後方を混乱させることもある。残り500メートルほどでラストスパートが始まり、勝敗が決する。先頭集団のタイムの差は1秒未満。
海は、潮の流れや水温など環境が変化する。水を飲んだり、クラゲに刺されたりして、パニックで棄権する選手もいる。泳力以外に、海についての知識や問題が起きた時の危機管理能力、恐怖に打ち勝つ精神力が必要だ。
愛好者には、ハワイなど海外で泳ぎを楽しむ人も多い。星野達也さん(44)、沙歩さん(10)は、父娘で競技に取り組んでいる。大会で優勝経験もある沙歩さんは「競技で勝つのはもちろん、沖縄のきれいな海で泳いだり、ちっちゃなマンタに出会ったりして楽しい」。
問い合わせは、日本水泳連盟OWS委員会(TEL03・3481・2306、http://www.swim.or.jp/11_committee/18_ows)。