俺はひきこもりだった。サンプラザ中野だー!
幼い頃の話である。甲府市に住んでいた。もうすぐ3歳になろうという夏のことだ。俺は小児麻痺を発症した。右半身が全く動かなかった。何とか回復し、リハビリを経て家に戻った。しかし身体をうまく動かすことが出来ない。なので、家で絵を描いたり音楽を聴いたりして過ごしていた。3歳〜4歳の頃だ。2歳年上の兄は仲間と原っぱで野球に興じていたのであるが。
昭和30年代後半。我が家にはポータブルプレーヤーがあった。そして数枚のレコード盤があった。それはどれも童謡のレコードなのであった。「叱られて」や「七つの子」「砂山」などを覚えている。それぞれ清水かつら、野口雨情、北原白秋という大作家による作詞である。清水かつらは「靴が鳴る」の作詞も手がけている。兄の後を追って外に遊びに行きたいのだが、うまく身体を動かせない。そんな寂しさを、悲しい歌に重ねて聴いていたのかと思う。
同じ頃、テレビではアニメーションがはやりだしていた。「宇宙エース」「宇宙少年ソラン」そして「鉄腕アトム」など。白黒テレビでは宇宙と未来が輝いていたのである。それらの主題歌にも強く心ひかれていた。それぞれ作詞者はやなせたかし、安井かずみ・いずみたく、谷川俊太郎の各氏である。こちらの面々もまさに大作家である。皆さん良い作品をありがとうございました。子供時代の俺に変わって、今お礼を述べておく。
という風に、俺は音よりも歌詞に引きつけられていたようだ。「音楽が好き」というよりも「歌が好き」だったのであろう。その傾向は今も変わらない。歌詞がピンと来ない歌は好きになれないのである。でも、歌詞だけじゃなく音楽も含めて俺をとりこにした歌があった。その運命の出会いもテレビを通じてなのであるよ。 つづく
| <サンプラザ中野 プロフィール>
1960年生まれ、山梨県出身。46歳。84年に爆風スランプのボーカルでデビュー。7月からソロ活動を開始。
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