そしてギターを買ったのだ。サンプラザ中野だー!
流山市立南部中学校に転入した74年の春。俺(おれ)はジャパニーズ・フォークソングの洗礼を受けた。ミック・ジャガーの唇でかぐや姫を熱く歌う、クラスメートの浅野君からだ。彼の影響でかぐや姫を聴き込んだ。「神田川」「赤ちょうちん」「妹」と。
翌75年の3月に発売された「かぐや姫フォーエバー」というアルバムがある。彼らの解散記念アルバムである。その中に「あの人の手紙」という名曲がある。「たった一枚の紙切れで徴兵され戦地へ赴いた夫が、ある日帰ってきた。おかえりなさい、あなた。今夜は二人ですてきな時間を過ごしましょう。でも私は知っています。あなたがすでに死んでいることを。あなたの死を告げた手紙が昨日届いたのです」という内容の歌だった。大変、感動した。まさに思春期の俺の心を揺さぶった。作曲、南こうせつ。作詞は伊勢正三である。愛と平和、そして民主化、多様性が俺の作品づくりのテーマである。そんな思いはこの感動から培われ出したのだと思う。
かぐや姫は78年に再結成コンサートを開いている。俺は日本武道館に駆けつけた。浪人中ではあったが「そんなの関係ねぇ!」なのであった。記念すべき、俺の初武道館。東の2階席のほぼ一番上。ステージの3人は小さくしか見えなかった。でも、とてもうれしかった。興奮した。横浜から来たという隣の席の見知らぬ男と意気投合した。彼と肩を組んで、こうせつと一緒に歌った。最後には涙ながらに「こうせつ、ありがとー!」と絶叫した。
デビュー後、こうせつさんと何度もお仕事をさせていただいている。こうせつさんらが主宰した広島ピースコンサートには、86年の初回から呼んでいただいた。こうせつさんはとても気さくで優しい。「サンちゃん、元気?」といった感じで話しかけてくれる。あの笑顔で。ありがたいことである。
俺がフォークギターを買ったのは、75年のことだった。
| <サンプラザ中野 プロフィール>
1960年生まれ、山梨県出身。46歳。84年に爆風スランプのボーカルでデビュー。7月からソロ活動を開始。
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