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純度高く お肌しっとり    くらしの良品探訪タイトル
イラスト
【イラストより】天然オイルを釜で100時間かけて煮つめ、カセイソーダと塩だけで純度の高いせっけんを作る。
第45回
無添加せっけん
無添加せっけん
東京都墨田区


地図
 都会の喧騒(けんそう)から逃れて、向島百花園に駆け込むとホッと息がつける。交通量の多い道路とビルに囲まれた箱庭のような小さな庭園だが、その名のごとく百花繚乱(ひゃっかりょうらん)。鬱蒼(うっそう)と樹木が茂り、いつでも季節の草花が咲いている。

 樹木に覆われた小道沿いには、芭蕉や蜀山人ら文人墨客の句碑や木板、石柱がひっそりとたたずんでいる。野鳥や虫が鳴き、池にはコイやカルガモが遊んでいる。こずえを揺らして吹く風がさわやかで、心が洗われる。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 心が洗われたら、体も洗いたくなる。墨田区の荒川土手を下って「松山油脂」のせっけん工場へ足をのばす。ここで無添加せっけんをはじめ、素材からこだわった固形や液体のせっけんを作っている。

 工場ではベテランから若い従業員まで、明るくキビキビ働いていて心地よかった。もの作りの自覚と楽しさが浸透している。2階の釜場は、サウナのような熱気と蒸気が充満していた。

 温度計は軽く40度を超えている。たちまちメガネが曇った。直径2メートルの大きな釜で、精製した天然オイルや水、カセイソーダが混ざり合い、グツグツと沸騰している。オイルを加熱しながら撹拌(かくはん)する。カセイソーダ水溶液を加えることで、オイルの脂肪酸とアルカリが結びつく鹸化(けんか)反応が起き、せっけんになる。

 「つきっきりで100時間かけて焚(た)き上げます。大量生産には向かないけど、昔から変わっていません」

 釜焚き歴30余年の坂下光弘さん(59)が、風呂上がりのような上気した顔でいう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

  「これで一応、せっけんにはなるけど、このまま固めただけでは、肌に優しいせっけんにはなりません」

 そこで登場するのが塩。それもミネラルを豊富に含んだ天然塩。無添加せっけんは、この塩以外は一切加えない。せっけんが煮詰まっている釜の中に加えると、不純物が分離して底に沈殿する。この作業を何回か繰り返す。浮き上がってくる純度の高いせっけん分だけを練り固め、製品によって数日から最長で60日間熟成させる。

 きめ細かい泡立ちで汚れを落とし、肌への刺激が少ない。天然の保湿成分で洗い上がりがしっとりして、つっぱり感がない。環境への影響も少なく、安心して使える。

 直接、肌に触れるせっけんだから、こだわって選びたい。  


向島百花園
四季折々の花が咲く向島百花園

◆お取り寄せ
 無添加せっけん(100グラム×3個)は399円、無添加ボディーソープの400ミリリットルが630円、800ミリリットルが1260円。送料別。TEL0120・800642、FAX0120・800648

(2004年7月14日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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