
【イラストより】千利休からの茶の湯と縁が深い有馬かご。その繊細な技で湯かごが作られる。
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第52回 湯かご
 神戸市北区 |
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有馬温泉名物「金の湯」は金さび色に濁って、なめると猛烈にしょっぱい。それもそのはずで、泉質は、「含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉」。鉄分が多く、塩分は海水の約2倍もあって皮膚がチクチクしてくる。昔は、湯につけて赤茶色に染まったタオルが有馬温泉にいってきた証しで、ちょっとした自慢の種だったらしい。
有馬温泉は、存在が知られるようになってから1400年の歴史を有するといわれ、道後、白浜と並んで日本三大古泉に数えられる。かの太閤秀吉もたびたび訪れ、「湯山御殿」を造らせている。さらに江戸時代は、宿数が「有馬千軒」といわれるほどにぎわった。
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観光客が足湯でスネ自慢をしているそばを通って湯本坂を上ると、曲がりくねった狭い石畳の坂に土産物店が軒を連ねている。細い路地を折れると、有馬かごの店があった。のぞくと、ご主人の轡(くつわ)昭竹斎こと、幸男さん(61)が一心に竹を編んでいた。
有馬かごの歴史も、また古い。桃山時代、本願寺の顕如上人の日記にその記述があり、千利休の求めによって茶道具が作られた。江戸時代には有馬名産として知られ、当時の籠屋町には七十余名の職人がいて技を競った。
「それがいまでは、有馬籠を作って販売しているのは私の店だけになってしまった」
轡さんは4代目。その責任が肩に重い。有馬かごは、いまでも茶の湯との縁が深いが、日常の生活道具も作っている。数多い竹かごの中で、目を引いたのが、食器などを洗ったときの水切りかごと、湯かご。水切りかごは丸竹の取っ手がついて持ち運びができ、上げ底になっているので水切れがいい。
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「有馬温泉では昔から、湯にいくときに湯かごに湯道具を入れていったもので、湯治客の土産品としても人気があった」
昔の湯かごは、四角くて底が深い形だったが、轡さんが楕円(だえん)形で、底をやや浅くした形につくり替えた。シャンプーやリンス、化粧道具などの出し入れがしやすい。洗い場に持っていっても脚が付いているので水切れがよく、竹が腐りにくい。傷んでも、脚だけ取り換えられる。素朴で温かみがあって、お風呂や洗面所、台所に置いたり、花を活けたりできる。
日々の暮らしは、こんなちょっとした工夫で楽しさが広がっていく。
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| 観光客でにぎわう温泉街の足湯 |
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◆お取り寄せ
有馬かごの湯かごは2625円。送料別。FAX竹芸有馬籠くつわ(078・904・2453)。
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