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2008.1.9(水)更新  彩・美・風/現代アートを応援しよう
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彩・美・風
現代アートを応援しよう

山口裕美さん
 昨年4月に開催された「アートフェア東京2007」には、約100のギャラリーが出展し、約3万2千人が訪れた。売り上げは、前年の5倍となる約10億円に達した。ホテルの客室を会場にして開催される東京の「アート・アット・アグネス」、大阪の「アート・イン・堂島」も来場者数を更新した。「現代アートのチアリーダー」を自認して、現代アートの現場を長年間近で見て、応援してきた私としては感慨深いものがある。

 「最高額」や「完売」といった文字が日々躍ってはいる。とはいえアーティストたちへの本当の意味での支援・応援はまだまだだ。

 日本を代表する現代美術家の宮島達男さんが97年、ロンドンのヘイワードギャラリーで個展を開催したことがあった。日本人としては棟方志功以来38年ぶりだという。彼のために各国の名士が集った。ところが日本人作家の晴れ舞台だというのに、お礼のスピーチをする日本人はいなかった。誰かに頼まれたわけでもなく、私はあんぱんと日本茶の差し入れを持って駆けつけた。そうしないではいられない気持ちだったのだ。

 サッカーの国際試合などを観(み)ていると、本当にうらやましい。サポーターはクラブカラーを身につけて、家族や友人を連れ立って応援に駆けつける。自分が応援しないとひいきのチームが負けるかもしれないと心の底から信じている。そんな応援こそが、世界というフィールドで孤軍奮闘している現代アーティストたちにとっても必要なのである。

 「現代アート」は決して難しいものではない。サッカーほどではないにしても、欧米をはじめ、中国や韓国でもブームになっていて、今や「世界共通言語」としてビジネスマン・ウーマンのたしなみの一つにもなっている。

 専門家ではなく、現代アートをもっと身近に感じてくれる一般のサポーターを、今こそ増やしていくときだと思っている。

 やまぐち・ゆみ 
 アートプロデューサー、現代美術ジャーナリスト。著書に「芸術(アート)のグランドデザイン」(弘文堂)など。
山口裕美さん

(2008年1月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)


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