昨年4月に開催された「アートフェア東京2007」には、約100のギャラリーが出展し、約3万2千人が訪れた。売り上げは、前年の5倍となる約10億円に達した。ホテルの客室を会場にして開催される東京の「アート・アット・アグネス」、大阪の「アート・イン・堂島」も来場者数を更新した。「現代アートのチアリーダー」を自認して、現代アートの現場を長年間近で見て、応援してきた私としては感慨深いものがある。
「最高額」や「完売」といった文字が日々躍ってはいる。とはいえアーティストたちへの本当の意味での支援・応援はまだまだだ。
日本を代表する現代美術家の宮島達男さんが97年、ロンドンのヘイワードギャラリーで個展を開催したことがあった。日本人としては棟方志功以来38年ぶりだという。彼のために各国の名士が集った。ところが日本人作家の晴れ舞台だというのに、お礼のスピーチをする日本人はいなかった。誰かに頼まれたわけでもなく、私はあんぱんと日本茶の差し入れを持って駆けつけた。そうしないではいられない気持ちだったのだ。
サッカーの国際試合などを観(み)ていると、本当にうらやましい。サポーターはクラブカラーを身につけて、家族や友人を連れ立って応援に駆けつける。自分が応援しないとひいきのチームが負けるかもしれないと心の底から信じている。そんな応援こそが、世界というフィールドで孤軍奮闘している現代アーティストたちにとっても必要なのである。
「現代アート」は決して難しいものではない。サッカーほどではないにしても、欧米をはじめ、中国や韓国でもブームになっていて、今や「世界共通言語」としてビジネスマン・ウーマンのたしなみの一つにもなっている。
専門家ではなく、現代アートをもっと身近に感じてくれる一般のサポーターを、今こそ増やしていくときだと思っている。