「自動人形師ムットーニ」といって、ピンとくる人は少ないかもしれない。本名の武藤をもじってムットーニ。作品のいい呼び方が見つからないので、作品自体もムットーニと呼ばれるようになった。
自動人形という以上、まず人形がある。そしてそれを動かすモーター、人形たちのステージである箱、音楽、演出を生み出すアナログのシステムがある。時に上演を盛り上げる本人の口上が付き、ライティングが変化する中でストーリーを紡ぐ。一言でいってしまえば、ムットーニとは「からくり・モーション・BOXシアター・お話玉手箱」である。
やはり分からない?
では、新作の「サテライト・キャバレー」=写真=を口上を交えて実況してみよう。
スイッチを入れる。ブルーの地明かりがステージを染める。やがて煌煌(こうこう)とライトが立ち上がる。バンドマンが動きだし音楽がスタートする。口上「私たち人類がこの地球を離れ、遠い惑星に移住する。いつかそんな日が本当にやってくるかもしれませんね。人々はそこに地球と同じような街をつくることでしょう。でも私だったら、こんなミュージックホールもつくって頂きたいですね!
月に一度、かつて20世紀の人々が聞いていたジャズを当時のコスチュームで演奏する、そんなプログラムはいかがでしょう」。
やがて上方のカーテンが開き、歌姫がスポットライトを浴びて歌い始める。演奏がクライマックスを迎える頃、両側の壁が開き、バンド台がせり上がり巨大なミラーボールの惑星が現れ、未来都市が光を放つ。
「遥(はる)かな未来のステージから懐かしさと憧(あこが)れを込めて皆様に。今宵(こよい)もゴージャスな一時をありがとう!」
ん〜やっぱり観(み)ないと分からない。