店にいると、ネットを見て来る方が多いことに気づきます。私のブログに「今度、名古屋店に行きます」と書き込みがあったり、「意外とおちゃめなんですね」と言われたり。ネットのお陰でお客様との距離が縮まった気がします。
20年以上厨房(ちゅうぼう)に立ち、懸命に修業を積んできましたが、後継者を育てる立場になった今、様々なジャンルの人とかかわり、新たなことにチャレンジしていきたいと考えています。
現在、私が力を入れているのがインターネットで学べる「eラーニング」形式のお菓子教室。自分のノウハウを何らかの形で伝えたいと思っていたので、スクール設立に以前から興味がありました。
この方法のいいところは、パソコンがあれば誰でも自宅で好きな時間に授業が受けられること。教室では、たとえ少人数であってもなかなか目が配れないもどかしさがありましたが、講師の手元を動画や写真映像で配信することで、マンツーマン指導と同じ効果を期待できます。お菓子づくりで大事なのは目で見て学ぶこと。今後は世界のパティシエたちの技術や考え方も伝えたいと思っています。
スイーツに関する様々な話題を盛り込んだポータルサイト「スーパースイーツ」の中に、時代のクリエーターたちと対談するコーナーがあります。アートディレクターの佐藤可士和さんや三ツ星シェフのピエール・ガニェールさんが登場しますが、なかでも草月流第4代家元・勅使河原茜さんとの対談は印象に残っています。
昨年、家元主催の講習会で生け花を披露しました。仕上げにあめ細工のパフォーマンスをしたところ、作品にあめ細工を取り入れたいと声をかけてくれた講師の方がいました。ジャンルは違えど草月流の世界観や造形力・表現力は、スイーツづくりと通じるものがあります。伝統の中にあって新しいことに挑戦する姿勢に大いに共感するとともに、改めてものづくりは人間本来の姿であると感じました。