視力回復の手術をした。乱視もあった両目が、0・04から1・5になった。さらば、コンタクト。これで長時間の撮影で目が充血することも、時代劇などでカメラが寄って、コンタクトが映り込む心配もなくなった。何より、舞台での様々なリスクから逃れられる。
開演5分で左目のコンタクトを落としたことがあった。その5分後には右目までも。おかげで終演までの約2時間、ずっと目つきの悪い訝(いぶか)しげな芝居になってしまった。
本番中落として、探して拾ったこともある。指を舐(な)めてぬらし、芝居の流れに沿って拾い上げる。(そんな流れはない)。でも、人さし指と親指でつまみ続けている様はどうにも不自然。今度は舌の下に忍び込ませて手を自由にさせるも、当たり前だがセリフが不自由。飲み込まないように、かまないように(セリフも)、慎重にしゃべって事なきを得……てはいなかったかも。
拾えぬまま舞台袖にはけたこともある。共演者が近くを行ったり来たり。「あかんて!」「踏む踏む踏む!」「そこ、動くな」「おまえもこっち来んでええ!」。全然芝居に集中できない。「ええから、いっそはよ踏んでくれ!」
はずれて中途半端に張り付いていた時は、共演者もコンタクトの動向が気になり、終始僕の涙袋を見ながらの芝居になってしまった。客席に落ちたコンタクトを、終演後お客さんが受け付けに届けてくれた、なんてこともあった。
随分周りにも迷惑をかけていた。手術して本当に良かった。今後、役によって眼鏡はかけようとも、コンタクトをつけることは二度とないだろう。さらば、コンタクト!
と思っていたら、「名探偵コナン」のジン役で青のカラーコンタクトを嵌(は)めさせられた。
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佐々木蔵之介 68年生まれ。京都市出身。映画「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」公開中。4月15日から始まるドラマ「絶対彼氏」(フジ系)に出演。
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