asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
谷中(6) 三崎坂〜団子坂

 三崎坂を下って左側、これが小学校の校舎なのか、と思わせる建物、谷中小学校がある。このあたりからお寺つづきだった三崎坂がなんとなく華やいだ雰囲気になる。

 ほんのり、観光の町のような、心配りというかメーキャップが感じられる。

三崎坂を下ったあたり、カメラでそこだけ切り取ると、江戸時代の小店が現れた
(写真・横田正大)

 まず、喫茶乱歩。もちろん江戸川乱歩に因(ちな)んでのネーミング。BGMのジャズといい、店内のインテリアといい、店主のこだわりが興味ぶかい。

 そのすぐ先が江戸千代紙のいせ辰。木版刷りの色彩が、いま刷り上がったばかりのようにあでやか。千代紙を使った小物などもあるので、いつも女性客で賑(にぎ)わっている。

 その先に、穴子ずしで名を馳(は)せた乃池がある。穴子ならしばらくは味が落ちないというのでお土産にする人も多い。握りは江戸前。

 今日の谷中界隈(かいわい)の活況は地域雑誌「谷根千」の地道な活動とそれに積極的に応えたこの町の人々の尽力にあったといわれるが、この乃池のご主人・野池氏もその代表的メンバーの一人と聞く。

 乃池のとなりが、そばの大島屋。階段を上ったところが店舗となっている。  斜め向かいが喫茶のペチコート・レーン。さまざまなデザインのアンティークな椅子(いす)が楽しい。

 ペチコート・レーンの手前の道が、通称へびみちと呼ばれ、この道が台東区と文京区の境目となる。そして三崎坂はここから先、団子坂と名を変える。

 だから菊見せんべいの看板には団子坂の名が付く。
 この間の谷中散歩中3軒目の名物せんべい屋である。つまり日暮里駅西口の谷中せんべい。初音小路の都せんべい。そしてここ。

 寺町にせんべい屋さんが多い理由は「谷根千」の森まゆみさんの本で知った。

 私はときどき、菊見せんべいの店内に掲げられている、珍しい明治石版画の、二人の美女に会いに来る。うれしい接客である。

→ 谷中(7) 上野公園から へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)



2003年1月29日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
郵便番号104-8011 朝日マリオン21−マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2010 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.