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根津(2) 根津神社

 根津といえば根津神社

 根津神社へは、根津駅から不忍通りを少し千駄木方向に歩くと、根津神社入口と記された信号があるのでわかりやすい。

商売繁盛、家内安全など祈願する小型の鳥居。6万5千円でマイ鳥居を寄進出来るとある
(写真・横田正大)

 その根津神社入り口の道(かつては神社の参道だったのでは)に入ると、もう古町そのもので、表具店、材木屋、銭湯、染物屋といった、昔ながらの職業の店が並ぶ。

 根津神社の境内、毎年9月の例大祭や、4月中旬から5月上旬にかけての絢爛(けんらん)たるツツジの時期には、人がどっと繰り出してくるが平日はひっそりとして、散歩や、ボーッと時間をつぶすにはいい場所である。

 しかもこの根津神社、今日残る江戸時代の神社建築としては最大の規模というから、江戸の神社建築の粋が拝めるわけである。

 古建築などには興味がない、という人には鳥居くぐりはどうだろうか。
 境内にある乙女稲荷神社には赤い鳥居がズラーッと並ぶ。いわば鳥居のトンネル。
 このトンネルをくぐりながら、1基、2基、3基と数えていったら、新旧とりまぜて、ざっと135基ほどの鳥居を数えられた。

 しかし、1人で鳥居をくぐりながら、うれしそうに鳥居の数を数えているなんて、まるで小学生の子供みたいだなあ、とふと思ったりもしたが、人目もないので、気にはならない。

 根津神社でリラックスしたら、さて、どちらに足を向けるか。
 根津裏門坂、日本医科大学病院向かいのそば屋夢境庵の居ごこちのいい店内で、その名も根津権現に因(ちな)んだ権現そばを楽しむか。
 あるいは、もう一度不忍通りに戻って、根津神社入口の信号、谷中側左、中国喫茶のGreen Leavesで一休みするか。

 いや、宵闇も迫ればやっぱり信号右、改装なった焼き鳥の小松で喉(のど)をうるおすか。おっと、根津名物、根津のたいやきもあった――と心は千々に乱れる。

→ 根津(3) 弥生坂を上る へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)



2003年3月12日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
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