asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
深川(3) 高橋へ

 地名をどう読むかで、その界隈(かいわい)の事情通か否かがわかってしまう。たとえば浅草・言問橋手前の地名「山の宿」、これはヤマノヤドではなくてヤマノシュク。

 そして、ここ深川の高橋、タカハシではなくタカバシと濁る。タカバシでなければ、北斎も描いた橋脚の高い、江戸時代のこの橋の雰囲気が出てこない。

「どぜう」ののれんがすがすがしい。「ぬき」と言う骨抜きのどじょうをすき焼き風にいただく 
(写真・横田正大)

 今回は森下から清澄通りを高橋に向かって歩いてゆこう。この通り沿いにも、いかにも下町的な食べ物屋や老舗がある。

 まずは進行方向左手、たい焼きの浪花家。尾頭(おかしら)まであんがみっちり詰まっていてしかも甘さ控えめが人気。

 その並びに、深川あさり餅で知られる伊勢屋。このあさり餅、すぐに売り切れとなるので、予約するのが確実。
 伊勢屋の新商品に、のらくろ焼きがある。のらくろの顔の焼きが入ったどら焼きで、袋がまたカワイイ。

 道路を渡って、パンのカトレア。この界隈に来たらカトレアに寄って必ず“元祖”カレーパンを買って帰る、という人を知っている。
 “なるべく揚げたてを”ということで、一日、4回に分けて揚げる心づかい。

 カトレアの先が、イシイの甘栗。看板の「中国店」の文字が目を引く。メーン商品はもちろん甘栗だが、中国食材や肉まんなどの点心も買える。

 しかし、下町散歩をしていると、どうしても土産物が増えてしまう。ま、うれしい悲鳴というものか。

 もう一度、道を渡って高橋のすぐ手前、もうここは、深川の名物店といっていい、どじょう鍋の伊せ喜
 夏の風にはためくのれんといい、店構えといい、これぞ老舗の風格。
 去年、やはり夏の一夕、この店に立ち寄ったとき、「もう、お客様の分しか残ってなかったんですが」と、北斎描く、高橋の錦絵のうちわをいただいた。

→ 深川(4) のらくろと江戸 へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2003年7月9日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
郵便番号104-8011 朝日マリオン21−マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2010 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.