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月島(1) 西仲通り商店街

 月島は地下鉄有楽町線に加え大江戸線が開通してぐんと足の便がよくなった。
 しかし時間に余裕があって、気候もよかったら、銀座からブラブラ歩いて行くという手もある。

 街と街との距離感や位置関係は、やっぱり自分の足で歩くと一番よくわかる。銀座4丁目から月島・西仲通り商店街、通称もんじゃストリートまで40分前後。
 晴海通りを銀座4丁目から歌舞伎座の前を通り築地を経て勝鬨(かちどき)に至る。この橋の雄姿をめでつつ、また隅田川の川面を望みつつ橋を渡り切り、一つ目の信号を左折すればすぐに西仲通り商店街へと至る。

 この界隈(かいわい)、少し来ない間にずいぶん変わった気がする。銭湯のあった場所が更地になっていたり、古い建物が消えていたり。
 心なしか、もんじゃストリートのもんじゃ屋さんも小ぎれいでオシャレな店が増えてきている感じがする。しかし変わらぬ店もある。大衆酒場・岸田屋

居眠りを続ける岸田屋の主「猫のマーちゃん」の話になると見知らぬ同士の客がなごんだ 
(写真・横田正大)

 勝どき側から西仲通り商店街に入って右手、いかにも「大衆酒場」にふさわしいのれんが下がっている。
 その、のれんをかきわけて店内をのぞいたとしても、それが6時を過ぎていたら、まずムリと考えていたほうが無難。
 たいていは圧倒的に男性客。しかも何年もここに通いつづけているような風貌(ふうぼう)の客がコの字形のカウンターを占めている。

 この西仲通り商店街、端から端まで、ただ歩くだけなら10分とかからない。その道の両側や路地にこれでもか、というほど、もんじゃの店の看板が出ている。
 月島散歩中に手に入れた「月島もんじゃ振興会協同組合」が出している地図を見ても、65店舗がこの組合に属していることがわかる。

 思えば、この商店街、もんじゃという不思議な食だけで、一つのワンダーランドを作り上げてしまったわけだ。世界に類のない街かもしれない。

→ 月島(2) 路地に入る へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2004年3月3日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
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