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銀座再訪(2) 

 銀座4丁目、三越裏のすしの銀座ほかけの年季の入った看板や、洋食というよりフランス料理のレベル、みかわやの雰囲気をさぐりつつも、まだ開店の時間ではないので通りすぎる。

 めざすは銀座の銭湯・銀座湯。銀座1丁目、銀座テアトルシネマ、ホテル西洋銀座の真裏にあるというのがなんともうれしい。
 銀座湯直行のつもりが、表通りに出たので伊東屋の前を通ることになった。なぜか文房具や画材店の前はよほど急ぎの用事がないかぎり素通りできない。

 その先につばめグリルがある。ここのハンブルグ(いわゆるハンバーグ)をつまみにビールが飲みたくなる。この店は銀座におけるドイツ料理文化の発信地の一つだったのだ。
 夕方になると、主に中高年の紳士ですぐに席がうまってしまうので、うしろ髪を引かれつつも「ビールは湯上がりに」の鉄則をからくも守り銀座湯へ。

銀座湯のタイル壁画。女湯は花火の図柄という 
(写真・横田正大)

 この地区、今はさすがに柳に銭湯ののれんがはためく、というわけにもいかずビルの1、2階にある。
Tokyo 老舗・古町
・散歩を購入する
 しかし、中に入ればもちろん普通の銭湯。というよりはこざっぱりとした清潔感がある。タイルの銭湯画は写真と見まごうばかりの写実的な銀座4丁目交差点付近の光景。ぜいたくなものである。

 客は、まだ夕方前の時間のせいもあるのだろうか、若い人よりはお年寄りが多い。銀座のどこにこういう下町っぽいお年寄りがいたのだろうか、と心強い思いがする。

 着がえのロッカー横の壁を見ると、そこには横尾忠則の1970年代の雰囲気のポスターが張ってある。 「ここが銀座か?」――町歩きの楽しみは、時間と空間の路地に迷いこむことなのかとつくづく思う。

=おわり

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2004年9月29日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から

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