ビジネス街に新しい風
東京駅中心に広がる大手町・丸の内・有楽町地区。高層ビルが並ぶ日本を代表するビジネス街だ。そこを貫く「丸の内仲通り」。エルメスやティファニーなど高級ブランド店が入るビルのショーウインドーはアート作品のようなディスプレーが並び、ブランド通りとして知られている。街角にはカフェも多い。ここを歩くと、「サラリーマンは敏腕ビジネスマンに、OLはキャリアウーマンに見える」とは外資系企業代表の評だ。
高さをそろえたビルに歩道幅もほぼ一定。街路樹も等間隔だ。地権者を含む約60の企業などを集めて88年に発足した「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」が無秩序な開発を避けようと議論を重ね、ビルの構造や高さにガイドラインを設けた成果だ。3年前には「丸ビル」ができ、昨年は「丸の内 MY PLAZA」がオープン。その結果、ショッピングを楽しむ主婦やそぞろ歩きの家族連れなど、これまでこの通りとは縁遠かった人たちの流れを生み出した。
都内に住む主婦田中真由美さん(54)は、新しくオープンした店を見がてら、仲通りを散策するのが好きだ。「ここは今まで何もなかったので、ほとんど来なかったのですが、今はおしゃれな街でいいですね。お気に入りの店はマイプラザのイルムス」と笑った。
新しい試みはまだある。携帯電話を使った情報配信だ。店舗などに置いたポストカードのQRコードで仲通りの見どころや歴史をはじめ、とっておきの情報を受信できる。いわば街全体が生きたミュージアム。通りを巡ることでここをもっと好きになってもらおうという狙いだ。
こんなトレンドに、「仲通りは丸の内のステージ」と胸を張るのは同協議会の廣野研一事務局長。代表的な「ステージ」が99年からの「東京ミレナリオ」。年末、光のオブジェが出現、毎年200万人が繰り出す。5月3日から15日までは「フラワーギャラリー」を開く。通り一帯が、コンペ形式で選ばれたガーデン作家たちの花のオブジェで埋まる。
(野戸昌希)