街に溶けこむオシャレ感
扉を開ければ、軽快な音楽とスタッフの笑顔。木調ベースの内装がセンスと温かみを感じさせる。ここは高円寺の人気カフェ「HERE WE ARE marble」。夏には熱狂的な阿波踊り会場となる「高南通り」に建つ。近年、目立つのがこの通り沿いの新しい動き。古着屋、ライブハウスといった高円寺の持つ混沌としたイメージとは違う、カフェやストリート風の服のショップなどオシャレ系の店が増えているのだ。
そんな流れの先駆けとされるのが同店。「なんでもない1日をもっとハッピーに」と、三浦武明ディレクター(30)らが開いた。当時、この通り近辺は、店がまばらな住宅地。周囲には先行きを心配された。しかし、気持ちに迷いはなかった。近所の人がぶらりと気軽に立ち寄れ、小さな幸せを感じられる空間はここ、だった。
客との会話を楽しんだ。エスプレッソには伊ムゼッティ社の高級豆「パラディーソ」を使い、古着屋などに寄った若者も空腹を満たせるようボリューム感のある食事にした。スイーツは手作り。やがて近所の人たちが常連になった。
都心などに比べて、より生活感のある高円寺。そんな街に溶け込んだ、オシャレ感と個性。三浦さんの高南通りに対する思いもふくらむ。「通りはまさに生活の風景。もっともっと飲食店とか服屋ができたら、ぼくも地元の人も楽しいよね」
近くにはコメ倉庫を改装したカフェ「Planet 3rd Koenji」もある。4タイプのフロアが斬新な店内はカップルやお年寄り、ペットもいて、なごやかムード。「PTAなど行事帰りのお母さんたちが30人も来ます。理想は、ずっとここにあることかな」と橋川太亮店長(29)。OLの磯部恵子さん(25)は「こんなカフェができたりして、おしゃれな通りになってきましたね」。
高円寺を愛する人が好きな店を立ち上げる。オシャレだが、とんがらない。そんな新しいエネルギーが高南通りを彩っている。
(市川綾子)