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2005.5.26(木)更新 ストリートストーリー
 
西仲通り商店街  (東京・月島)

 「もんじゃストリート」という通称はだてではない。500メートルほどの東京・月島西仲通り商店街には路地裏の店も合わせ、70店以上のもんじゃ焼き店がひしめく。週末には1万人以上も集まるというから驚きだ。

 
イラスト・橋爪かおり
もんじゃ囲み弾む会話

 夕方6時。会社員や学生らの姿が、通りに目立ち始めた。次々ともんじゃ店に吸い込まれていく。ソースの香り漂う店内。小麦粉を溶いただし汁と具を鉄板上で混ぜて焼くだけの素朴な料理だが、女性客は「キャベツが多くてヘルシー」と笑顔。各店の違いを確かめようと、「ここで2軒目。あと5軒回る」とフードテーマパークよろしくはしご宣言の学生たち。知らない者同士も思わず会話がはずむ雰囲気が、もんじゃの隠し味のようでもある。

 なぜ、下町のありふれた食だったもんじゃが、月島で発展したのか。「元々は子供の駄菓子」とは月島もんじゃ振興会会長で「好美家」店主の村田耕作さん。焼く際に「文字」を書いて子供たちが遊んだのが名前の由来という。その後、好美家などが肉や魚介類を入れる工夫をし、大人の食事に発展させたことが今日につながったと見る。もんじゃを囲むことが「子供の遊びから大人のコミュニケーションの場になった」と村田さん。

 さらに、月島地区が戦火を免れ、街並みがほぼ残ったことが無縁でないとの説も。下町情緒の濃い街として注目され、「下町の味」であるもんじゃ人気に火がついたというのだ。実際、現在のもんじゃ店主の多くは地元生まれ。幼少時から味に親しんでいたせいなのか呉服屋、宝飾店なども次々と転業して今の数になったとか。

 「哲ちゃん」の店主金子尚昭さん(67)は地元で3代続いた魚屋から転業した。「シンプルな料理だから素材で勝負が決まる」と、魚のプロらしく他店との違いを出す。地元出身で月島と清澄通りに店を出す、「たんぽぽ」の店主・堀口元昭さんは元床屋さん。仕事師らしい繊細な味が人気だ。モットーは「もんじゃは遊びの延長」。もんじゃ焼きの歌「もんjaLOVE」のCDを出す凝りよう。

 今夏、3年に一度の地元・住吉神社の大祭がある。それに合わせ、村田さんたちは「世界に羽ばたくもんじゃ」を目指すイベントも計画中だそうだ。

(石坂亜子)

  もうひとつの月島名物

 薄くスライスした牛や豚のレバーをフライにし、たっぷりのソースに浸した「レバフライ」。
 月島観音のそばにある精肉店「ミートショップ緑川」(TEL03・3531・0435、(日)休み)では、午前11時と午後4時に作りたてが並ぶ。54年ごろから登場しているというレバフライは看板商品。レバー独特の臭みが少ないので、普段は苦手でもこれだけは食べられちゃう人も多いとか。レバー好きは、やみつきになるかもね。

  佃島 住吉神社例大祭

 8月6日(土)〜8日(月)、東京都中央区佃1丁目の住吉神社(月島駅、問い合わせは03・3531・3500)。
 大阪・佃(西淀川区)の田蓑(たみの)神社からの分社である同神社。今年は3年に1度の本祭りで、各町の神輿(みこし)7基が町内を練り歩く。7日(日)と8日には神社の神輿1基が佃、月島、勝どき、晴海地区を巡行。沿道の人が担ぎ手たちに水をかける様子は、熱気にあふれ、迫力満点。あたりには露店も出て、街全体が祭り一色に包まれる。


天然記念物級の人情
 林家いっ平さん(落語家)
 子どもの頃はよく駄菓子屋の奥の4畳半でキャベツと紅ショウガだけ入ったもんじゃを鉄板を囲んでつつきました。月島は鉢植えと猫の似合う街で、どの店でもおばちゃんのトークが気が利いている。いつも言い負かされてます。でも世話を焼いたり、怒ったりしてくれるおばちゃんたちは天然記念物! 大切にしたいです。
 ■70年東京・根岸生まれ。林家三平の次男で、兄は正蔵。02年、真打ち昇進。三平の資料館「ねぎし三平堂」の堂長でもある。



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