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2005.6.9(木)更新 ストリートストーリー
 
宿場町通り  (東京・北千住)

 JRや私鉄のターミナルとしてにぎわう北千住駅の西口改札口を出て5分あまり。駅前通りにほど近い旧日光街道の「宿場町通り」。かつて「千住宿」として栄えたこの通りは、そんな昔情緒に今も彩られている。

 
イラスト・岡澤香寿美
歴史重ね、今に続く道

 午前3時。ガタガタガタッと大八車が砂利をはじく。子どもの頃、朝方に聞こえてきた音。横山佐吉さん(81)の脳裏に、昭和初期の通りの光景が今も浮かぶ。大八車は青物市場の「やっちゃ場」に野菜を運んだ。夜が明けるにつれ、音は大きくなり、ラッシュアワーを迎える。「この通りで一番の思い出は大八車の往来かな」

 佐吉さんの生家で、今も住む「横山家住宅」は宿場町通りの北側にある。大きく、どっしりとした構えと桟瓦(さんがわら)ぶきの屋根。間口が広くて奥が深い、江戸末期の伝馬屋敷だ。足立区の登録文化財でもある。父の代までこの家で江戸時代から続く紙問屋を営んでいた。

 軒先の柱に刀傷が3カ所ある。江戸無血開城に反発する旧幕臣の彰義隊が会津に逃れる途中、怒りをぶつけた跡という。改築時に「万延元年」(1860年)とある棟札が天井裏から出てきたこともある。まさに歴史が刻まれた家なのだ。「いろいろ聞かれるから家の歴史は勉強しましたよ」。商家の出らしく、きちんと正座をした佐吉さんが言った。

 横山家をはじめ、この通りには宿場町として栄えた頃の名残が染みこんでいる。当時と変わらない道幅、路地の多さ。10分足らず歩く間に40本近くの路地があった。江戸時代から続く絵馬屋もあれば、昔ながらの店構えの八百屋や和菓子屋も軒を連ねる。歩くうちに高い建物が少なくなり、徐々に空が開けてくる。「のどかだね」と言って通り過ぎる若者がいた。

 とはいえ、砂利道は舗装路になった。魚屋や肉屋、呉服屋……と時代と共に姿を消す店もあり、往時のにぎわいは薄れた。上半分が曇りガラスのいかにも古めかしい横山家の玄関戸。帳場や硯箱(すずりばこ)があったかつての商談の場にいると、行き交う車や自転車のタイヤがガラス越しに目に入る。昔は多くの荷車の車輪が見えたのだろう。「変わらないものはないねえ」と、懐かしむ顔になった佐吉さんがしみじみ言った。「でも、昔があるから今があるんだよね」

(秋山幸子)

  店主のこだわり

 予約必須!鶏肉料理の有名店「バードコート」(TEL03・3881・8818)。使うのは茨城県産の奥久慈シャモ肉だけ。つくね、ねぎまなど自慢の串物20種(1本250円から)をはじめ、アラカルト料理20品目も。料理との相性を考えたワインなど酒類も充実。迷ったら、店員さんにチョイスを。締めには断然、親子丼。柔らかい肉をほかほかの半熟卵でとじたそのおいしさに、明日からまた頑張れる。午後5時半〜11時。(日)(月)休み。

  千住といえば「千寿葱」

 市場に集まる葱(ねぎ)を目利きしてセリ落とすスペシャリスト「葱商」。彼らの厳しい目をクリアした「千寿葱」は、白い部分が長く、甘みが強い。「葱茂」3代目・安藤将信さんは、おいしさを市民にもっと知ってもらおうと奮闘中。スーパーに卸すほか(イトーヨーカドー千住店での購入や、全国の同各店で取り寄せも)、葱焼酎の開発、ネット販売(http://www.senjunegi.com)と元気だ。少々高めだが、その味わい深さに納得。


いくつになっても足を運びます
 大河内奈々子さん(女優)
 安心感のある街ですね。第2の地元と言えるほど、姉や友達と買い物に行きましたから。駄菓子屋さんにあった、「きいち」の塗り絵、懐かしいです。今では駅前に丸井もできて、都会と下町が一度に味わえるところが魅力。駅近くの飲み屋横町、好きです。お酒に合ったお料理が出てくるので、一軒一軒回るのも楽しいですよ。
 ■77年生まれ。ドラマや映画で活躍。8月1日開始のドラマ「新キッズ・ウオー」(TBS系、(月)〜(金)、午後1時半)で主演。



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