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2005.6.23(木)更新 ストリートストーリー
 
神楽坂通り  (新宿区)

 「毘沙門天」の名で親しまれる善国寺をはじめ、昔ながらの料亭や石畳など古き良き「和」の街並みが残る神楽坂。しかし、路地裏にはヨーロッパの小道を思わせる光景が広がっている。

 
イラスト・岡澤香寿美
和と洋のバランス絶妙

 ベビーカーを押しながら店頭に並ぶ和食器をじっと吟味する青い目の女性、すれ違う板前さんとフランス料理店のスタッフらしき男性……。神楽坂通りにはこんな風景がすっと溶け込む。

 明治32年創業のスーパー「神楽坂KIMURAYA」では、ワインやチーズ、ソーセージの種類が多いことに驚く。ワインはなんと200種類、チーズも60種そろう。「そりゃ、外国人のお客さんを意識しているよ」と社長。この西洋の雰囲気をしっかり感じとっているようだ。

 夏目漱石や与謝野晶子ら文豪に愛され、かつて花街として栄えた神楽坂界隈(かいわい)に西洋の要素が入り始めたのは、30年ほど前から。在日フランス人学校や東京日仏学院が近くにあったため、駐在員やその家族が多く住むようになっていった。

 やがて欧州での修行から戻った日本人シェフや「故郷の味を広めよう」と考えた外国人たちがこの地に店を開くようになったという。電話帳で拾ってみたら、10年前は10軒ほどだった欧州料理店が、現在はこの界隈だけでも30以上ひしめき合っている。

 路地に入ると、グレーに塗られた外観に「La Ronde d’Argile(ラ・ロンダジル)」と店名がかけられた一軒家がある。

 中には畳も見える。昨年11月、和陶器のセレクトショップを開いた平盛道代さん(38)の店だ。「外国人の集まるバーやレストランが多いのに、昔ながらの豆腐屋や料亭もある。ここは無国籍でありながら『日本』が失われていないと思い、『ここに開こう!』と即決したんです」。仏語の店名を目にし、店内に流すフレンチポップスを聞いては仏語で話しかけてくる外国人客もいる、と平盛さんは笑う。

 在日約20年のフランス人講師イブ・ペローさん(45)が言った。「ラーメン屋をのぞくフランス人が居て、ビストロ巡りをする日本人が居る。そんな雰囲気が好きなんだ。『和』と『洋』のバランスが絶妙なんだよね」

(坂本悠子)

  和の香りはここから

 調香師をしていた店主が3年前にオープンしたお香の店「椿(つばき)屋」(TEL03・5261・0019)。江戸時代から家業で香料や線香を扱ってきたとか。帰省する際に線香を買いに来る年配の女性、ホームステイ先へのお土産を探しに来る学生、と客層はさまざま。香りに敏感な外国人の客も多い。お香は50種類以上、お試しサイズ(10本315円から)も。「神楽坂ぽち袋」(約10種、360円から)もおすすめ。定休日なし。

  そば屋がワインバーに変身!

 66年創業、カウンター18席の「神楽坂そば」が、夜になるとワインバー「ル・トランブルー」に。オーナーの息子さんが「昼と夜の客層を変えたい」と考え、6年前に改装した。午後6時半以降は看板を替え、照明を落とし、ムードある空間を演出する。そばつゆの匂(にお)いを残さないように、「変身中」はドアを全開にしているとか。グラスワイン290円から、料理はすべて990円以下。問い合わせはともに03・3268・1812。(日)(祝)休み。


奥深い路地裏が魅力
 峰竜太さん(タレント)
 事務所があるので、スタッフと一緒によく食事をしたりしています。石畳もあって、今でも芸者さんにすれ違うことも。こんなにすてきな路地裏がある町は東京では他にないんじゃないかな。若い人の好むおしゃれな店もあるし、奥が深くて飽きることがない。まだまだこの町から離れられそうにないな。
 ■日本テレビ「ザ! 情報ツウ」の司会など多数の番組で活躍。「神楽坂KIMURAYA」には「竜太ワイン」(赤、白、1539円)も。



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