「科学」息づく憩いの道
高く生い茂った木立。緑の中を貫くように自転車が走り抜けていく。ランニングの学生たちが人々を追い越していく。通り脇の公園の芝生では親子連れがのんびり弁当を広げる。「つくば公園通り」は、その名の通り、松見から中央、洞峰の各公園を経て赤塚公園に至る約5キロの緑豊かな道だ。
「買い物に、通勤に、仕事の息抜きに欠かせないとても身近な通りです」と笑顔を見せるのは、猪瀬祥子さん(28)。公園通りにそびえるH2ロケットが印象的な「つくばエキスポセンター」に勤める。科学万博開催記念として保存され、見学可能な同施設は、この通りと「科学」の近しさを象徴していると言っていい。
そんな関係を示すように、今春、もっと多くの人に研究施設群を紹介し、理解を深めてもらおうとできたのが「つくばサイエンスツアーオフィス」だ。県科学技術振興財団が運営する。市民相手に見学コースの企画や電話相談など、「科学の街」のナビゲーターを務める。「公園通り周辺で予約不要で無料」という条件で申し込んでみた。石浜均事務局長(45)が「サイクリングを兼ねて研究所を見学して回るのが気持ちいいですよ」とプランを立ててくれた。
まずは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「筑波宇宙センター」。人工衛星やロケットエンジン、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」などの実物大モデルを見られる。「地質標本館」は地学専門の総合博物館。鉱物や化石、隕石(いんせき)など貴重な資料が並ぶだけでなく、地球の歴史を学べる。
レンタサイクルを駆っての科学とふれあう1日。中央公園内の江戸時代の農家「さくら民家園」で一息つく。同園によると、最近まで園の軒先にヨシの束をつるし、ヨシ束に巣を作るハチの研究が行われていたという。
「科学」が軒先にまで息づくつくば公園通り。8月24日には、「つくばエクスプレス」が開業する。首都圏からも近くなり、夏休みの自由研究に通りが一役買ってくれそうだ。
(岡澤香寿美)