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2005.8.4(木)更新 ストリートストーリー
 
若宮大路  (鎌倉市)

 源頼朝が妻・政子の安産祈願のため、海から鶴岡八幡宮までの参詣(さんけい)路としてつくらせたという鎌倉市の若宮大路(わかみやおおじ)。何げない日常のたたずまいと、多くの伝統行事が、今もこの通りに歴史を刻み続けている。

 
イラスト・橋爪かおり
800年の街に夏の風物詩

 若宮大路には「若宮大路幕府」など、鎌倉時代の政治の中心地が置かれていた。由比ケ浜から鶴岡八幡宮まで続くこの通りには、各史跡や風情ある土産物店などと、湘南を感じさせるオシャレな民家やスーパーなどが800年の歴史の歩みの中で混在、独特の雰囲気をつくりだしている。

 その通りの玄関口、由比ケ浜と材木座を舞台にした夏の大イベントに鎌倉花火大会がある。花火製作と演出を30年ほども担当しているのは、千葉県の花火会社「国際煙火」だ。祖父が社長をしていた当時から親子三代にわたってかかわる安秀喜専務(35)は「鎌倉は特別な場所」と言う。

 「鎌倉の花火は請け負う大会約40カ所の折り返し地点。『ここで半分』とほっと一息つく。同時に、花火師としての喜びも味わえる。湾の中なので、お客の声が反響するんです」。当日の2900発はスタッフが1年前から一つひとつ手作りで準備したもの。一発一発に大歓声が聞きたいとの思いがこもる。そんな高安さんにとって、通りは「お客さんを会場の浜辺まで運んでくれ、翌朝には片づけで疲れ果てた自分を駅まで運んでくれる」感慨深い道なのだ。

 通り沿いに店を構える「林屋材木店」の社長・林禎一さん(89)も、長い間この若宮大路を見て過ごしてきた。1904(明治37)年に創業。当初の建物は、関東大震災で全壊、周囲の商店も焼失したという。祖父の世代が、倒壊した鶴岡八幡宮の舞殿をはじめ、ほぼ今の街並みを造った。

 「道を行く観光客や住民の文化人、彼らに特別な注意を払ったことはない。みんな生活の一部。いつもそこにあった」と、淡々とした口ぶりに愛着がにじむ。

 「若宮大路と鶴岡八幡宮は観光客に親しまれると同時に、住民にとっては『日常の世界』です」とは境内で出会った八幡宮の神職。袴に身を包み穏やかに笑う彼に、若宮大路で一番好きな情景を聞いてみた。「朝もやたなびく早朝の通りとお宮。境内にかわせみが飛ぶさまですね」

(田 舞)

  鎌倉八幡宮 雪洞祭(ぼんぼりまつり)

 8月6日(土)〜9日(火)、鶴岡八幡宮(TEL0467・22・0315)。
 ゆかりの文化人の書画を雪洞に仕立て、夕方になるとロウソクをともす。境内に立ち並ぶ、数百の雪洞の明かりがゆれる幻想的な祭り。38年、観光客を境内に誘致する目的で、高浜虚子、里見クら鎌倉在住の文化人約100人と協力して始められた。今年も朝丘雪路さん、竹中直人さんらの書画、大小約370点を展示。日本舞踊や筝曲の奉納も。

  鎌倉花火大会

 8月9日(火)午後7時、由比ケ浜、材木座海岸(江ノ島電鉄由比ケ浜駅)。
 今年で57回目を数える名物イベント。打ち上げ場所から海岸まで約500メートルから見る花火は迫力満点。目玉は、相模湾を横断する船から海に投げ込まれる約300発の水中花火。半円形の花火が震動しながら海上に出現する。今年は新作のキャラクター花火も。駐車場がないため、電車利用がお勧め。問い合わせは市観光協会(0467・23・3050)。


歴史楽しむ 鎌倉暮らし
 みのもんたさん(司会者)
 逗子に住んでいるので、鎌倉はすぐそば。初もうで、子どもの七五三、車の安全祈願など「八幡さま」(鶴岡八幡宮)にはよく出かけてきました。かつて源氏の本拠地だったこの土地。歴史ある海と山に囲まれた街中には、一種の静謐(せいひつ)さがあります。人通りが途絶えた夜の時間は特に好きですね。
 ■今年も鶴岡八幡宮の雪洞祭に揮毫(きごう)。鎌倉市小町2丁目で、おしゃれなカフェも入る「ストロールビル」を経営。



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