曲線が描く通りの理想
緩やかなカーブの細い道が続くキャットストリート。ブランド品などオシャレな店が並ぶ、あかぬけた雰囲気と共にユニークな通り名が印象的だ。野良猫が多かったからとか土地が猫の額のように狭い、ブラックキャッツというバンドが生まれた地、など諸説ある。
この通りが先端ファッションの街として注目され出したのはここ10年足らずのこと。その「仕掛け人」とされるのが、ライフスタイル・プロデューサーで、浜野総合研究所代表の浜野安宏さんだ。これまで、表参道が現在のような人気の通りとなるきっかけともなったビル「フロムファースト」や、横浜・みなとみらい地区の街づくりを手がけた。コンセプトは「一軒のビルから街ができる」だ。
浜野さんが注目したのはこの通りのなだらかな曲がり。「こういう通りは(商売が)はやる」と確信した。店舗が歩く人の目に自然に入るというカーブの特長を活用するため、まずはアウトドアウエアのブランドとして知られる「パタゴニア」が入るビルをプロデュース。後に、「hhstyle.com」などの人気店を呼び寄せた。浜野さんの見立て通り、次第にアクセサリーや衣料などの店が増え、今や表参道などに次ぐ先端ファッションの道と言っていい。
ただ、浜野さんの目標は「暮らしのある街」。この通りにもっと多くの人が住み、住む人の文化が育つことという。このため、環境整備を目指すNPOを共同で立ち上げ、住民らと提携した環境づくりの具体策を思案中だ。「通りで人がゆったり過ごせるようなカフェがいっぱいできたらいいね」
一方、街づくりには区なども力を入れる。違法駐車対策や搬入車両をスムーズにさばけるよう荷捌(にさば)きコーナーの活用をアピールしている。こんな取り組みに通り沿いの店「Pook et Koop」従業員の沢崎裕二さんが言った。「だれのための道かが肝心。やるならばみんなで継続してやっていかなければ」
(山本由依子)