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2005.8.25(木)更新 ストリートストーリー
 
井の頭通り  (東京・渋谷)

 渋谷駅から東急ハンズ渋谷店の辺りで引き返す人が多い「井の頭通り」。実は、その先が面白い。立ち並ぶレコード店、そこから漏れる低音の響き、ヒップホップ系ファッションの若者と、独特な雰囲気を見せる。

 
イラスト・岡澤香寿美
ヒップホップに魅せられ

 斜めにかぶった帽子に、大きめのTシャツとパンツ、ひときわ体格がよく見える格好の若者たちが吸い込まれるように入っていく。ヒップホップ専門のレコード店「マンハッタンレコード」だ。

 若者の街、渋谷。中でもオルガン坂と交わる「井の頭通り」周辺は、90年代半ばから「ヒップホップの聖地」と言われるようになった。

 もともと70年代、米国ニューヨークの貧しい地区で黒人の若者たちが生んだ文化で、言葉を紡ぐラップや落書きアート、ダンスなどそれぞれの表現手段で、抑圧への抵抗と、金銭には頼らない楽しみを主張した。その魅力は世界に広まり、日本でも映画や、若者が集まって踊るクラブで流れたダンス音楽をきっかけに、火がついた。

 「マンハッタン」は90年代初め、ダンス音楽のはやりを察知してDJ仕様のレコードに特化し、ここに移転してきた人気店だ。
 店内に入ると、壁面にずらりと並ぶレコードと、DJブースから流れるビートの大音量に高揚感が増す。「クラブの臨場感をねらったんですよ」と、バイヤーの斉藤拓麻さん(25)。10代から聴き始めて、アルバイトで同店に入り、4年前から商品の買い付けを任される社員になった。現在、この付近にはレコード店が50ほど並ぶ。各店の色を作るのが、斉藤さんたちの仕事。「いろんな店があるから、盛り上がってくるんでしょうね」。客層も広がり、DJやその予備軍の他に、趣味でレコードを回す人も多いという。通り沿いの建物の壁は、落書きやポスターでびっしり。知り合いに会えば、軽く肩を抱き合ってあいさつ、情報交換が始まる。

 地方から来る人も多い。ここで出会った仙台出身の男性(20)に魅力について尋ねると、「直感的な格好良さでしょ」と即興のラップが始まった。
 ♪実際に はまってみなきゃわかんねぇ オレらは 文化(カルチャー)を生きてんだ

(市川綾子)
【イラスト中】
★ダンスミュージックレコード http://www.dmr.co.jp
★シスコレコード http://www.cisco-records.co.jp

  都会の異空間

 「海が好きだからね」。オーナーの言葉通り、太陽のサンと海のシーが店名になった「3・4coffee and liquor」(TEL03・3496・2295)。薄暗い店内は、ゆっくりとした時間が流れ、無心に座っていたくなる。客の雰囲気に合うカップを選び、じっくりと時間をかけていれるコーヒー(500円)は、更なる落ち着きをくれる。音楽関係の人たちが取材の場所として利用することも多いとか。

  ヒップホップを感じたいならここ!

 いくつかの服の販売店がある中、「スティル ディギン」(TEL03・3464・9288)は面白い。海外から国内ブランドまで幅広く扱うだけでなく、アート用スプレーをスペインやドイツから取り寄せたり、廃盤レコードをアメリカやイギリスで直接買い付けたりするなど、個性的な商品構成。豊富な知識をいかして、ファッションから一歩踏み込んで文化を伝えたいというスタッフの熱い思いがうかがえる。


つまり、原点ですよね
 DJ HAZIMEさん
 10代の頃はダンスをやっていて、いけてる音楽はないかって、レコード屋に毎日のように通ってました。店員が音楽について教えてくれましたし、近くの服屋でバイトした時代もありましたし。ここで育ちましたね。今も週に2回はレコード屋をチェックして、イベントに備えてます。この通りがないと、おれが成り立たなくなりますね。
 ■渋谷「クラブ ハーレム」での毎週土曜日のイベントや、J−WAVEラジオ番組「SOUL TRAIN」などで活躍中。



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