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2005.9.1(木)更新 ストリートストーリー
 
銀座コリドー通り  (銀座)

 「フランスの街角のよう」と言われた銀座コリドー通り。今は居酒屋などの大型店が花盛りだ。新橋と有楽町に挟まれた銀座、という地の利を生かして発展するこの通りで「銀座らしさ」を守る大人のための店がある。

 
イラスト・岡澤香寿美
大人の文化の薫り息づく

 「銀座で一番いい男、いい女が歩く通りだった」

 ここに店を出して25年になる「わいん ばー・ギンザ」のオーナー臼井磐さん(62)は目を細めた。年季の入った扉を開けると地下へ階段が続き、アールヌーボーの絵が出迎える。「コリドー」とは回廊を意味するフランス語。「パリの小粋な通りのように、というのが最初の精神だった」。通りの西側は高速道路のガード下に店が並ぶ。現在は9割以上が飲食店だが、80年頃までは1階の8割は毛皮や和装小物店、画廊などが占めた。臼井さんは「文化薫る銀座」を守りたいと、月に一度ジャズから落語まで楽しめる会を開く。

 「百歳の現役ママ」有馬秀子さんが2年前に亡くなってからも、ママを慕ってバー「ギルビーA」を訪ねる人は多い。開店以来50年以上使われてきたカウンターの指定席には写真が飾られている。4年前まで働いていた女性が変わらなさに驚くと、「何を変えればいいんですか?」と10年以上勤めるバーテンダーの中川福市さん(55)が笑って答えた。この店では時間がゆっくり流れている。従業員へのしつけが行き届いていると評判で、一部上場企業の社長の娘を預かったことも。ママが店に来ると客までも背筋をピンと伸ばした。

 通りの向かいにあるシャンソンバー「蛙(かえる)たち」。会社役員の吉川伍郎さん(58)は、シャンソン好きだったわけではなかった。ただ日常にはない文化的な雰囲気にひかれて、以来30年近くになる。「一人で来ても一人にはならない」常連や歌手との関係が通い続ける理由だ。「蛙たち」は歌手でオーナーの横井公二さん(65)が、40年前に仲間と始めた店。歌手が接客もし、まるで自宅に招かれたよう。「お客様とは今では親類のような関係。一緒にこの店を作っている」。

 上質な文化やマナー。そんな銀座らしさを守る店と客。変化著しいコリドー街に、昔からの銀座が息づく。

(石坂亜子)

  本格フレンチとワインを「隠れ家」で

  レストラン「le 6eme sens(ル・シズィエム・サンス)」(TEL03・3575・2767)。「ラ・トゥールダルジャン東京」の総料理長も務めたドミニク・コルビさんによる季節感豊かなコース中心の料理。外から見えるのはカフェとバー。レストランの入り口は、ワインボトルで埋まった壁のどこかに……。1万本のワインを常備。ディナーコースは1万2000円から。レストランの営業時間は正午〜午後2時、6時〜9時。要予約。(日)(祝)休み。

  コリドー街のバーを楽しむ

 「わいん ばー・ギンザ」(TEL03・3572・7058)。1、2品つまみながら1人6000円程度を目安に。午後5時〜午前0時。(祝)休み。「ギルビーA」(TEL03・3571・1750)。5000円前後で3杯ほど楽しめる。午後6時〜11時45分。(日)(祝)休み。「シャンソンバー 蛙たち」(TEL03・3571・4417)。ステージは1日5回。チャージ込みで1人6000円程度から。午後6時半〜11時15分。(日)(祝)休み。


明るく若い、銀座の末っ子
 品田雄吉さん(映画評論家)
 コリドー街の近くには試写会場や映画関係の会社も多く、通り沿いの喫茶店や中華料理屋によく集まりました。高速ができてからの街ですから、銀座の中では新しい。家族で言うと末っ子みたいなもので、若さや明るさがありました。あの長さの通りで信号が一つしかないってのも、粋で好きでしたね。
 ■30年生まれ。本紙夕刊芸能面の映画評のほか、雑誌、テレビなどで幅広く映画評論を行う。多摩美大名誉教授。



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