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2005.9.22(木)更新 ストリートストーリー
 
人情深川ご利益通り  (東京・江東区)

 東京・下町のわずか150メートルほどの参道に何とも縁起のいい愛称がついている。「人情深川ご利益通り」。千葉県・成田山新勝寺の東京別院深川不動堂が名付けた。「深川といえば人情、お不動様のご利益で栄えるように」と願いを込めて。

 
イラスト・岡澤香寿美
知恵絞り、万福お届け

 門前仲町駅を出ると、そこがご利益通りだ。せんべいや土産物など「仲見世」らしい店から、洋菓子や焼き肉など40店ほどが並ぶ。この参道の先に、不動堂がある。知れば知るほど楽しい寺だ。

 受け身でいたら参拝者は来ない。来てもらうには……。「ニーズにどう応えるか」と不動堂の僧侶、樋口照喜さん(45)。本堂の後ろにそびえ建つ内仏殿の、無料拝観スペースが回答の一つだ。

 「四国八十八ケ所巡拝所」。霊場88カ所の砂袋を踏んで歩くと、実際に巡ったのと同じとされる「お砂踏み」が、ここでは砂を透明の円筒に入れ、手でさわれるようにした。暗い室内でお年寄りが転ばないように、という配慮からだ。有料の写経道場は、朝から夕方までいつでもいい。掘りごたつ式なので、足がしびれたら伸ばせる。

 面白い大仏があれば九州に赴き、サービスが人気と聞けばホテルにも出向く。5年前に内仏殿を建てる際には、法務や庶務など各部署の代表が、ざっくばらんに話し合った。「成田山の別院として伝えるべきものは伝える。ただ、方法は一つではない」と樋口さん。お札場で扱うアイテム約250というのもその表れだろう。「ペット&迷子お守り」(700円)は人気を集めている。

 参拝者数の記録はないが、拝殿の時に靴を入れるポリ袋の発注は10年間で、約2倍の年20万枚に増えた。少子化でも、七五三の祈祷(きとう)申し込みは微増を保つ。さいたま市の若い夫妻は、「護摩も気軽に参加できるのがうれしい」と言い、子どものお初詣(はつまい)りもここでした。多摩市の主婦(44)は下町風情に引かれ、この日が2度目の参拝で、友達を連れてやって来た。

 深川不動堂は、1703年、「江戸でご本尊を拝みたい」という江戸町民のリクエストで実現した出張開帳が始まりとされる。成田から300人もの行列が1週間かけてご本尊を運んだという。

 「流れない水は腐ってしまう。だから水を流し続ける」と不動堂職員(41)。時代と人々のニーズを追い続ける。時が流れても、その心は変わらない。

(秋山幸子)

  1日、15日、28日は縁日へ

 平日に比べて人出が大幅にアップ!参道や永代通りに露店が並び、にぎわいをみせる。不動堂の入り口付近が定位置というあんず飴(あめ)屋には、親子2代で通い続けるおなじみさんも。水あめをたっぷりからめたあんず飴は1本150円。北海道や新潟から前日に取り寄せた八ツ目ウナギのかば焼き(1匹串1000円)を食べさせてくれる露店にも、昔からのファンが多い。

  清水甘酒店

 明治元年(1868年)創業。かつて「金つばの清水」として愛された名店で、食通で知られる作家の池波正太郎さんもファンだったとか。現在は、甘酒を1杯300円で販売。酒かすや砂糖を使わず米こうじでつくった甘酒は、米の甘さが生んだ優しい味。アクセントにショウガを入れて。店主の清水政子さん(87)と交わす会話も楽しみの一つだ。午前10時〜午後5時。不定休。TEL03・3641・4460。


多彩な表情持つ楽しい街
 三遊亭楽太郎さん(落語家)
 都立深川高校に入学したのが、ご縁の始まり。今でも弟弟子を連れて遊びに行きます。深川らしいお土産を買うもよし、飲み屋に行くもよしと、昼は昼、夜は夜でいろんな楽しみ方ができる場所です。その土地の故事来歴を調べてから出かけると、より楽しい江戸町散策ができますよ。
 ■50年生まれ。77年より日本テレビ系「笑点」に出演。81年、真打ち昇進。精力的に取り組む独演会が好評を博している。


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