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2005.11.17(木)更新 ストリートストーリー
 
戸越銀座通り  (東京・品川)

 1.6キロ続く道沿いに400もの小売店が並ぶ東京・品川の戸越銀座通り。直線では全国最長とも言われる商店街だ。安心で住みよく、にぎわいのあるこの街を支えているのは、地元を愛する店主と客の会話だ。

 
イラスト・岡澤香寿美
店の会話で作る住み良さ

 夕食の買い物ついでに井戸端会議の主婦、通りを駆け抜けるランドセル姿の小学生。暗くなれば仕事帰りの人々が加わる。商店街の衰退が言われて久しいが、ここは人通りが多く活気がある。

 「徒歩5分以内で生活に必要なものがそろう」とは会社員の女性(29)。戸越駅周辺の500メートルほどに八百屋が実に6軒。スーパーもあるが、40代の主婦は「今晩のおかずの相談もできるから」と、生鮮品は商店街で買う。

 オリジナルブランドの開発やノーレジ袋運動など様々な取り組みを続けてきた街だが、「商店街の名物は店のオヤジ」と、戸越銀座商店街連合会会長で中国料理屋「百番」店主の白井宗光さん(74)は言う。

 客との付き合いが長く、家族の近況や好き嫌いまで知っていることも。親子と顔見知りだからできることがあると、今年秋から始めたのが「こども110番」だ。独自のオレンジ色の旗を店頭に掲げ、何かあったら子どもが駆け込める拠点にした。

 犯罪抑止効果もねらう。今年春、近くの公園で子どもが連れ去られそうになる危険な出来事もあった。小2男子の母親(39)は「見守る目が増えるのは安心」と言い、小学生の子がいる別の母親も「(店主の)おじさんは顔見知りなので子どもも助けを求めやすい」と子どもの安心感を評価する。「買い物の際の普通の会話が人間関係をつくり、安心して過ごせる街をつくる。そんな役割を果たせたら」と白井さんは言う。

 4年前に開設したホームページ「戸越銀座ネット」は、各店舗の情報のほか、公共施設、近隣の社寺まで紹介する。立ち上げには、地元の大学生が奮闘した。商店主が指導する少年野球の教え子で気兼ねなく話せたことが、地域に役立つサイトにつながったという。

 商店街では、今年度中にタッチパネル4台を設置する。外来者はもちろん、インターネットに不慣れな人にも街の情報が簡単に手に入るように。会話のきっかけが、また増えるかもしれない。

(石坂 亜子)

  天然酵母パンの店

 ベーカリーかふぇ 麦(TEL03・5788・2567)。天然酵母を使った手作りパンを販売。クッキー生地におからを入れたサクサク感たっぷりの「おからメロンパン」(140円)や、豆腐を生地に使ったもっちりとした食感の「とうふベーグル」(4種類、150円から)など素材の味や香りが生きている。その場で食べることもできる。通信販売も。
 午前10時〜午後8時。(月)と第3(火)休み。

  評判の天ぷら

 おそうざいの店 大津屋(TEL03・3782・8714)。手作りの煮物、揚げ物、弁当などを販売。天ぷらは雑誌から取材を受けるほどの評判の品。タネを氷で冷やすなど温度管理を徹底して、衣が薄くさくっとした食感を出しているとか。もとは乾物屋で、うずら豆の煮豆はそのころからの人気商品。
 午前10時半〜午後8時半(休前日は7時半まで)。(日)(祝)休み。


気取らなくていい楽な街
 Charさん(ロックミュージシャン)
 こんだけ楽な街ないかな。祖母の代から住んでいて、だいたい先輩か後輩か同級生が商店街の店を継いでいる。パジャマでたばこも買いに行く。みんな、よくしゃべるんでうるさいけどね。それに息子たちの代が、戸越から映像などで発信しようと試行錯誤している。だから、この街は変わっていける。
 ■55年生まれ。「気絶するほど悩ましい」が大ヒット。12月7日、新アルバム「天邪鬼−−Amano−Jack」を発売。


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