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2005.11.24(木)更新 ストリートストーリー
 
風の散歩道  (東京・三鷹)

  東京都三鷹市の玉川上水を並行して歩く「風の散歩道」。豊かな自然、文学者ゆかりの地などの魅力に加え、「三鷹の森ジブリ美術館」へと続く道としても親しまれている。市のシンボル通りには、住民の思いが流れている。

 
イラスト・岡澤香寿美
住民の思いが生きる道

 「いらっしゃい」。週末、リュックをしょった年配のグループや、親子連れなど40人ほどの来訪者を、「みたか観光ガイド協会」代表の小谷野芳文さん(66)が笑顔で迎える。観光案内所「スペースみたか101」。今年8月、三鷹駅南口からすぐの、散歩道入り口のビル1階にできた。12月末まで試験的に開設中で、三つの市民団体が交代して観光マップの提供や名所を紹介する。そのうちの一つ、同協会は6年前に発足し、定年退職した男性や女性ら30人ほどがボランティアで名所案内をしている。

 国立天文台や新選組・近藤勇の墓などに並んで多い問い合わせが、ジブリ美術館への行き方。近くに別ルートを走る美術館専用バスの乗り場もあるが、小谷野さんは「断然、散歩道を歩くことをお勧めします」。来訪者の約3割を占めるアジアからの観光客に対しても、道筋を英語で説明した資料を片手に、身ぶり手ぶりで奮闘する。

 美術館まで歩いて20分。しゃれた標識やベンチが並び、所々に靴跡のタイルがはめ込まれた散歩道の傍らには、国の史跡・玉川上水が流れる。水路沿いのサクラなどの広葉樹は、季節ごとに表情を変える。山本有三の旧家を利用した記念館や太宰治の旧居跡など、文士ゆかりの地としても知られる。

  有三記念館の裏庭に、深緑色の草が育っていた。環境省の絶滅危惧(きぐ)種に選定される「ムラサキ」だ。根の部分が染料や薬草として重宝され、かつて武蔵野一帯に群生したという説がある。幻のムラサキを市のブランドにできないか、と市民が「みたか紫草(むらさき)復活プロジェクト」を3年前に立ち上げた。約100人の会員が畑や自宅で育てるほか、市内の小学校で染め物教室なども開く。「夢は、上水沿いにかつての群生を取り戻すこと」と、プロジェクト会長の山縣(やまがた)哲治さん(51)。この草から名付けられた「むらさき橋」が散歩道の中ほどにかかる。いつか、この道で白い小さな花を咲かすムラサキが見られるだろうか。

(市川綾子)

  スペースみたか101

 12月28日(水)まで。午後1時〜5時((金)は午前10時〜2時、(土)(日)は正午から)。(火)休み。問い合わせはまちづくり三鷹(0422・40・9669)。

  太宰治を歩く

 仕事部屋跡や禅林寺の墓など、市内を巡る定例ツアー。3月〜11月の第4(日)に実施。次回は11月27日(日)、午前9時50分、三鷹駅南口デッキ上集合(雨天決行)。無料。予約不要。問い合わせはみたか観光ガイド協会・小谷野さん(0422・44・0981)。

  気軽に中国茶

 癒やしの空間がコンセプトの「心泉茶苑」(TEL0422・41・8617)では、約20種の中国茶を楽しめる。白牡丹(はくぼたん)、めいぐいふぁ、桂花をブレンドした甘い香りの花茶(740円)など、希望する効用や味を伝えればお勧めの茶葉を、茶器の使い方と共に教えてくれる。午前11時〜午後7時(11月中の(月)は1時〜6時、ランチは11時半〜2時半)。


緑と水、歩くと感じる風
 神沢利子さん(童話作家)
 よく散歩しますが、小さな発見が幾つもあります。スミレやヨモギを見つけますし、20年ほど前の清流復活事業で上水に水が戻ってからは、岸のサクラ並木の緑が濃くなった気がします。緑と水、歩くと感じる風、大切なものがそろった道でしょう。これからの季節、澄んだ冬空の下、葉を落として、すくっと立つ木々が美しいですよ。
 ■三鷹市在住。「くまの子ウーフ」(ポプラ社)をはじめ、「鹿よ おれの兄弟よ」(福音館書店)など著書多数。


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