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2006.2.16(木)更新 ストリートストーリー
 
国道16号  (東京・福生市)

 東京・福生市を南北に走る国道16号。米軍横田基地に面した商店街には、輸入雑貨や古着の店など、多国籍な雰囲気がある。米兵相手の商売でにぎわった黄金時代を経て、今、外国文化に魅せられた日本の若者が集う

 
イラスト・久保庭華子
異文化が交差する魅力

 「都心の街にはない、異国的な『ゆるい雰囲気』が好き」。神奈川県相模原市の会社員・北川義己さん(26)は、6年ほど前から、週末になると国道16号沿いに遊びに来る。外国人が行き交い、英語の看板が連なり、大型オートバイが店先にとまる光景は、なるほど、ハリウッド映画さながらだ。

 かつての50〜60年代には、その9割以上は基地の米兵が顧客の店だった。当時から営業する仕立屋「テーラーK・ブラザーズ」の代表・唐鎌照雄さん(69)は、「英語とドルが飛び交い、日本人は寄せ付けない雰囲気。まさに『外国』だった」と懐かしげに振り返る。しかし、変動相場制で円高が進むと米国人の客足が次第に遠のき、店を畳む経営者も出てきた。

 76年には、福生で暮らす若者を描いた村上龍さんの小説「限りなく透明に近いブルー」が発表され、入れ替わるように米国文化にあこがれる日本人がやってきた。

 米国アンティーク家具を扱う「BIG MAMA」の店長・広川恵さん(32)もその一人だ。愛媛県出身の広川さんは、20代初めに、「皆が自由に音楽を楽しんでいる」福生にあこがれて、16号沿いの楽器屋で働くようになった。現在は音楽家や画家など、アーティストに人気の元米軍家族用住宅「米軍ハウス」に住む。予約待ちが絶えない物件だ。「米国と日本の文化が混ざった福生の魅力を知らせたくて」と、昨年、商店街の若手店長らと「Fussa Map」を発行した。

 以前の「古き良きアメリカ」的な香りが薄れていくことを懸念する人もいるが、「紅虎餃子房」など全国に約300店舗の飲食店展開をする際(きわ)コーポレーションの中島武社長(58)は、「ずっと変化し続ける16号であってほしい」と語る。子どものころから好きだった福生の町を活気づけたいと出店し、現在、古着屋や雑貨店、飲食店など約20店舗を数える。「基地があることで国境はあるけど、対人関係に境界線はない。現代に合った、異文化を生かした通りを模索していってほしい」

(中野晶子)

  商店街の情報が一目で

 全長約1.5キロにわたる16号沿いの商店街。散策には、雑貨、衣料、飲食店など約50店舗の情報をカラー写真付きで紹介する「Fussa Map」が便利。「BIG MAMA」(TEL042・551・8144)をはじめ、16号沿いの多くの店で手に入る。無料。

若者が発信する福生の今

 福生で行われるライブやイベントなどの情報は、ウェブサイト「WE LOVE FUSSA」(http://we-love-fussa.com)で。福生近郊出身の20代の若者が毎日つづるブログも。

「古き良き」残るレストラン

 米軍ハウスを改築したイタリア料理店「Un Quinto」(TEL042・552・6052)。肉や野菜を煮込んだトマトソースとチーズをバターライスにかけた「イタリアンライス」(1500円)は、82年の創業時からの名物。料理はどれもボリューム満点。午前11時半〜午後2時半、5時〜9時半。


フェンス越しを夢見て
 忌野清志郎さん(バンドマン) 
 70年代半ばに、16号近くの米軍ハウスを友人とシェアして住んでいました。基地のフェンスの向こうはアメリカ、福生という町には一種のあこがれがありましたね。当時は今のような日本の若者向けのしゃれた店は少なく、外国人でにぎわっていた。今でも、ステージ衣装を作りに「テーラーK・ブラザーズ」に通っています。
 ■51年東京生まれ。70年に「RCサクセション」としてデビュー。現在はソロ活動。昨年12月にシングル「仕草」を発売。 


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