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2009.8.25(火)更新  日本ふるさと食談議/ずんだ餅(宮城県)
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ずんだ餅(宮城県)

枝豆の味と香りを堪能 日本ふるさと食談議
ずんだ餅
 
 ゆでた枝豆をすりつぶして作った「ずんだ餡(あん)」を、餅にからめて楽しむ郷土菓子。砂糖と塩によるシンプルな味付けが、枝豆の風味を一層引き立てる。枝豆の旬である夏や、正月などに食べることが多い。
 
 「明日、ずんだを作ろう」。そんな会話を交わした翌朝、自宅の畑に出て枝豆を収穫し、すぐに調理に取りかかる。少し前まで畑にあった枝豆が、ずんだ餅として朝の食卓に並んだ。


 ゆでた枝豆をさやから取り出して薄皮を取り除き、熱いうちにすりつぶす。「手伝ってみて、随分手間がかかるんだなあと思いました」と会社員の和田麻子さん(27)。「そう、一粒ずつ枝豆を取り出していくんです。祖母が作る夏のごちそうでした」と会社員の庄司由美さん(32)も振り返る。

 高校まで仙台で過ごした二人にとって、すり鉢は「枝豆をすりつぶす道具」、鮮やかな黄緑を「ずんだ色」と呼ぶほど、ずんだ餅は身近な存在だった。

 そのおいしさと文化を広めたいと、仙台銘菓「萩の月」で知られる菓子メーカー・菓匠三全が、04年にずんだ餅の専門店「ずんだ茶寮」を東京に出した。

 枝豆の鮮やかな色、青々とした香りを保つには――。枝豆が最もおいしい時期はわずか4日ほど。畑から収穫したと同時に風味は失われていく。同社常務の田中正人さん(61)は、材料の成分を数値化し、枝豆の新鮮さが味を左右するという結論に至った。「なぜ早朝だったのか。家庭で当たり前に繰り返されてきたことには、訳があるんですね」


 13年前からずんだ餅の商品開発に携わる田中さんが「かなわない」と絶賛するのは、家庭で作られるずんだ餅。祖母が孫のために、親が子のためにと、手と舌に記憶されて受け継がれていく味だ。「あの人に食べてもらいたい」。そんな思いが、何よりも大切なスパイスになる。

=おわり

 

東京で味わう故郷の味ににっこり=大丸東京店で
【ずんだ茶寮】
 大丸東京店1階(東京駅、TEL03・3212・8011)。午前10時〜午後9時((土)(日)は8時まで)。宮城県産の「みやこがね」を使った餅の風味も楽しめる「ずんだ餅」(6個840円)や、「ずんだプリン」(1個252円)などを販売する。羽田空港第一ターミナルなど首都圏に5店。  宮城の食と観光の問い合わせは、TEL宮城ふるさとプラザ(03・5956・3511)。
 
(2009年8月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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