人生の過渡期に
98年以来毎年、レニングラード国立バレエのお正月公演に参加してきたので、年末から年始にかけて、ここ10年休みを取ったことはない。しかし、お正月に稽古(けいこ)場や劇場に通うのも今度が最後。来年の年末年始は何をして、何を思いながら過ごしているのだろうか?
なんて想像しないわけではないが、実を言うと、来年のことを思うよりも、今この時を楽しんでいる。最後の「ジゼル」に向けての稽古の時間には、ただただ没頭している楽しさがある。そして、こういう時間を味わえることが、とても幸せに感じられる。
このコラム執筆のお話をいただいたのは半年前。ついに今回が、最後の原稿となる。書き始めて1カ月を過ぎた頃には、「慣れてきた」と調子に乗って、3カ月を過ぎると「まだあと半分も残っている」と少し気が重くなり、どうにか4カ月半を超えたところで、「もう書くことがない」と困り果て、パソコンを前に何度もため息をついていた。半年間、週に1度のコラムを書き続けるのは、思いのほか大変なことだった。
そして、ようやく慌ただしかった1年が終わろうとしている。1月の「白鳥の湖」に始まり、引退公演の制作準備、記者会見、舞台で踊る仕事など、一つ一つの事柄の密度が、以前にも増して濃くなっていると感じた1年。まさに、人生の過渡期のまっただ中にいると感じた、そんな中での執筆は、とても意味のあることだったと思う。自分の気持ちを素直に書いたことで、気持ちの整理もつけやすかったような気がする。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。来年も、全力疾走します。皆さん、良いお年を!=おわり
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1月から芸能の分野で活躍する方々が月替わりで自身の「哲学」をつづります。
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