仕事がお昼過ぎに終わったので、実家に立ち寄ることにした。「今から向かう」と、まだ出先であろう母の携帯電話に連絡した。この日は母の3人姉妹が久しぶりに落ち合い、そのまま家に来ることになっていた。
私が電話をかけたとき、3人はまだタクシーの中だった。一斉に私に向かって話しだし、何を言っているのか聞き取りづらい。まとめると「私たちは途中スーパーに寄るけれど、あなたが着く前には着いているはずだから、早くおいで」ということらしかった。
到着すると、3人がキッチンに立ち、にぎにぎしく料理していた。いや、にぎにぎしくなんてものじゃなく、あっけにとられた。しかしどんなに話が盛り上がろうと、手が休まることはない。私も小皿やおはしを並べようとキッチンに入るのだけれど、足手まといで居場所がない。「あなたは座ってなさい」。追いやられ、席についた。
やり取りをしばらく見ているうちに、3人がまだ嫁ぐ前の、うん十年前の娘時代、ひとつ屋根の下で暮らしていたことが想像された。姉妹そろえば一気に少女時代に戻るのだとほほ笑ましく感じた。
煮付けた魚や、野菜とキノコの入ったスープなど数品と、スーパーで買ってきたから揚げやのり巻きなんかが一緒にテーブルに並ぶ。お昼をとうに過ぎた時間に臨機応変に組み合わせているのは、しっかり主婦らしい食卓だった。