付かず離れず。その加減は実に難しい。
食事をするときのお店選びはおいしいことは大前提として、それ以上に「接客してくれるお店の人選び」をしているのだと、この頃思うことが多い。いいお店だったと思うとき、必ずお店の人の印象が味の記憶とともに残っている。
1年前のことになるが、お世話になった人をもてなす日を1週間後に控え、お店をどこにしようかと悩んでいた。慣れない私は焦って、グルメな人からよいお店がないか、色々と情報を集めていた。けれど、いくら評判がよいからとその日にぶっつけ本番ではやはりよくないと思い、お店を下調べすることにした。
個室とまではいかないが、テーブルごとに区切りのある落ち着いたお店。案内された席につき、メニューを受けとる。しばらくしてお料理が出てくる。味は悪くない。しかし、だ。お店の人が次のお料理を出すタイミングを、私たちからは死角だと思っているであろう場所からずっとうかがっている。それなのに何か頼もうとすると気まずそうに陰に引っ込む、ということが繰り返され、最後のお料理が出てくるまでのぞかれているような、見張られているような気がして実に落ち着かなかった。やはり、お店の良しあしは人で決まるといっても過言ではない。
――来週は「よいお店」のはなし。