コマーシャルの撮影でタイを訪れた。バンコクから車で2〜3時間、到着したのは地平線までも続きそうな大草原。撮影の技術スタッフが現地の人というのも初めてで、すべてが新鮮だった。覚えたばかりの「コップンカァ(ありがとう)」が気に入って、訳もなく連呼していた。
驚いたのはごはんどきである。こんなにスタッフいたっけか? どこからともなくワラワラワラワラ。大自然の真ん中に列が出来ている。赤子を抱いた人だっている。
テントの中ではカレーやたくさんの炒めものに火がかけられ、よいにおいが立ち込めている。タイの人にならって、パクチーだって山盛りのせて、ごっちゃまぜのワンプレートごはん。最高においしい。「郷に入っては郷に従えだね」とお代わりする人も多かった。
そんな中ふと見ると、会話少なげなテーブルを発見。東京ではビシッとスーツ姿の、制作会社や広告代理店の男性陣である。ホテルにお願いしたうな重らしきお弁当すら進んでいない様子。「やっぱり男の人ってデリケートなのかしら?」と私たち。
それを証拠に最後の晩、バンコクのキレイなレストランでの食事では、いつもらしさを取り戻していた。そしてたくましい女性陣は、屋台のソムタム(辛い青パパイアのサラダ)をこっそり持ち込んで、お上品に味付けられたタイ料理を現地仕様にして食べたのであった。(女優)