「もう、ある時間を過ぎたら値引きしちゃえばいいのよね」。スポーツクラブのロッカールーム、ご婦人方の会話が聞こえてくる。土産菓子の製造日改ざん事件に触れ、「味は落ちてないからやってるんでしょ〜」と。「でもあれだけ出回っているものだと、値引きする基準を統一出来ないんじゃないかしら」。私も一緒に話している気になり、すっかり立ち聞きしてしまった。
大きな事件が、また新しい事件によって薄れていく。身近なところにだって、わからないことが近頃多い。
私がごひいきにしている魚屋さんで、年末お刺し身を盛り合わせてもらったときのこと。おまけにヒラメの縁側とマグロの中落ちを付けてくれた。そのときオトウサンが「中落ちを選ぶときは気をつけてくださいね、何か混ざっているなんてこともありますから」と言っていた。それらしく油など入れて出回っている話や、外来魚がよく知られた魚の名前を付けて売られている話を私自身、前に聞いたことがある。でもお魚屋さんに言われると、認識の具合が変わってくる。
翌日スーパーに行った私は、商品の内容表示が気になった。納豆やお豆腐には「大豆(遺伝子組み換えしていない)」などと欠かさず書いてあるのに、食品によってなんで表示の基準がバラバラなんだろう? 答えなど出ないまま、危険なにおいがするものを避けて買い物したのだった。