私は産地直売に弱い。思い返せばものごころついた頃からである。私は激しく車酔いする子供であった。30分、車に乗るだけで苦痛だったのにもかかわらず、我が家はどこに行くにも車移動。旅行などの長距離は冬でも窓全開、震える家族にはヒンシュクをかい、私は具合悪い極致、本当に憂うつであった。
それでも目的地に着くまでにある直売所を眺めていれば気が紛れた。自分なりに「この店は、やっている」「もうつぶれている」など判別し、何を扱う店なのか目を凝らして楽しんでいた。そして毎年恒例で行っていた草津温泉への旅路には、この時期、焼きトウモロコシを売るお店が並ぶのだが、少し体調がよくなった途端「もう治ったからトウモロコシ買って」と親にせがむのであった。要するに根っからの食いしん坊だったのである。
それは20年以上たった今も変わらず、産地直売の文字を見るだけでテンションが上がる。ロケで遠出したときなど目ざとく見つけては、立ち寄っている。このひかれ様は何なのか? 「産地直売=いいもの、お得」とインプットされているだけではなさそうだ。簡素な場所に泥つき採れたて、というシチュエーションに弱いのかもしれない。そしてすかさず「あのホウレン草、あんなに入って150円、なかなか無いよ」と同乗者に薦めているあたり、私もすっかりオバチャンである。