疲れて帰って来て、やっと食事にありつけたところで、あれやこれや言われるのはイヤだろうとは思う。
「いただきますっ」の掛け声とともに勢いよく旦那(だんな)の食事が始まった。お刺し身にはおしょうゆ、サラダにはドレッシングが勢いよくかけられる。「そんなにかけたら〜」と口走ったらすぐに反撃に出られそうなので、「あっ、それ、味、うん、付いてるよぉ」とさらっと言う。いかに口うるさく感じさせないかがポイントである。受け入れてくれるときはまれで、目いっぱい仕事をしてきた直後はテンションが高く、「労働者には塩分が必要だ」ともっともらしい答え。「え、でもさ、高血圧とか糖尿病になって食事制限を余儀なくされたら、味しない〜っていうごはんしか食べられなくなっちゃうんだよ。だったら、薄味に慣れてずっとおいしいもん食べられた方がよくない?」と私は言う。旦那はすかさず「じゃ、そのときはそれで」と。
強制終了である。私はこんなとき迷う。口うるさいと思われても言い続けるべきか、「食事ぐらい好きにさせてくれ」という言葉は受け止めるべきか。大人になったらその選択は自分、という思いもある。私自身、決して薄味ではなく、外食だってジャンクフードだって大好きだ。そしてふと思い出す。「あ、健康診断!」。受けるとなった途端、慌ててそのための食事に数日間だけしてしまいそうである。気休めだろうに。