一、休むために働く
休むために働く。これが今の私のスタイルです。
20代の頃は「仕事がすべて。働くために休む」と極度にストイックだったのですが、結婚して変わりました。夫のローランは、日本でアート関連の仕事をしているフランス人。「人生を楽しむ」「今を大切にする」という彼のライフスタイルから、多くを学んでいます。日本人は、人に弱みを見せまいと我慢してしまうところがありますけど、彼は「我慢しなくていい」って言うんです。つらいときにはハグして欲しいとか、精神的な充足をとても大切にしますね。一方で、フランス人は独立心が強いと思うんですが、彼の故郷に行くと、自分一人でも色々なことができると思える。本当にゆったりしてリラックスするんですよ。改めて、日本では人間関係が密な分、プレッシャーも多くて窮屈なんだと感じました。
彼とは映画を見て意見を言い合ったり、現代美術のアーティストを紹介してもらったり。月に10回は美術館や展覧会、イベントなどに出かけます。いつも一緒に新しいものを求めて、昨日知らなかったことが今日「知っている」ことになる。プライベートが充実していて、毎日忙しい! 世界が広がりました。
仲良しの弟からも「こんな幸せそうな顔を、ローランの前ではするんだ」と言われます。「あいかわらず毒舌だけど前よりずっといい」って。以前は、演じている役を家にまで持ち帰って、ギスギスした顔でいることもあったんですが、今では家に帰ったら1回リセットできるようになりました。彼の影響もあるのか、このごろでは父も母の手伝いをちょっとしたりするみたいで、両親にもフランス文化が流れ込んでいるのかな。
しっかり休むことで、仕事に対する集中力が前より増した気がします。欧米のバカンスって、能率的なんですね。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
|
■てらじま・しのぶ
俳優。72年生まれ。2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演。映画「人間失格」「CATERPILLAR」の公開も控えている。
|