三、優しい女性
ナンパされるのを目的に出かけたニューヨーク一人旅。困ったのは食事です。女1人でレストランは入りにくいですから。旅の予定では、ナンパされるはずだったのですが、全くナシ。永遠の独りぼっち。これでは断食を決め込むしかない。ファストフードはもう飽きた!
そんな私を助けてくれたのは、妹の友達のミキさんでした。ミキさんとは、だんなさんが米国人、NY在住の、グラフィックデザイナーです。NYにたつ前、妹が「お姉ちゃんが一人旅を前に不安になってます」とメールしたら、観光案内役を買って出てくれたのでした。
ミキさんに初めて会ったときは驚きました。勝手な想像で、半ケツ見えるようなピチピチのジーンズ履いた、ノリノリな女性が来ると思ってたら、なんと、大きなおなかした妊婦さんが現れたんですもん。妊娠7カ月! そんな体でわざわざ。「いいんです。私たちも、こんな機会がないと外に出ませんから」「ダイジョブデス」。だんなさんのティムさんもカタコトの日本語で話してくれます。見ず知らずの私のために、なんて優しい。
古い駅の構内にある、ステキなオイスターバーに連れて行ってくれました。途中、お土産買うのも付き合ってくれて、荷物はティムさんが持ってくれて。
レストランに着いてコートを脱ぐとき、ティムさんがえらく渋い顔をしていました。どうしたの? と聞くと「ああ、こないだバイクで事故っちゃって」と。え? ケガ人? ちょっと待って。妊婦とケガ人? その2人がわざわざ? 私のファン? ……じゃない。「本当、こんな機会がないと私たち、外に出ませんから」。外に出ませんから、じゃなくて、外に出ちゃダメだよぉ。
こういう優しい米国人と結婚できるのは、人のために動ける優しい女性なのだ、と反省しました。つづく。
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■みつうら・やすこ
タレント。1971年生まれ。最新著書「世界で一番乙女な生きもの」(宝島社)を発売中。
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