正午過ぎ。霞が関の官庁から白シャツ・黒ズボン姿の男性が続々と出てくる。手には財布、胸元にはIDカード。新橋方面へ、銀座方面へと一斉に移動を始める。省によって前後するが昼食は1時までと決まっているため時間は無駄にできない。
日比谷公園にも、中華弁当やコンビニ弁当の袋をぶらさげた人たちが集まってきた。厚労省の20代の男性は、園内のレストラン・松本楼で買ったオムライス弁当を食べていた。気分転換もかねて外に出てきたという。「店に並んで入る時間がなかったので……」。片手に持った本から目を離さずにプラスチックのスプーンを忙しく動かす。15分ほどで食べ終え、少し居眠り。30分で公園をあとにした。
総務省の地下には食堂、コンビニ、ファストフード店があり、12時になれば、フロアごとに出入り業者が弁当を売りにくる。同省勤務の30代の男性は、週に2度は愛妻弁当、それ以外は業者の弁当を食べる。この日はギョーザなど7種類のおかずが入って、みそ汁付きで450円。席でさっとすませ、軽く睡眠をとって午後に備える。
仕事が立て込むと、朝9時半から夜中の2時3時まで一日中建物の中だという別の男性は、昼くらいは外に出たいと話す。「10分あれば飯は食べられるんで1時間フルに使える時は銀座まで出ます」。1時までに戻らなくても罰則はない。が、「周りの視線が痛いですよね」。
1時10分前。日比谷公園に戻ると、農水省の2人組の男性が時計を気にしながら、喫煙スペースで最後の一服を楽しんでいた。公園と庁舎の間にある西幸門前交差点には、昼食を終えて方々から戻ってきた人たちで信号待ちの人だまりができる。信号が青に変わった。1人、また1人と、忙しい時間が流れる建物の中へ吸い込まれていった。(渡部麻衣子)
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オムライスが人気
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【日比谷 松本楼】
東京都千代田区日比谷公園1の2(霞ケ関駅、問い合わせは03・3503・1451)。午前10時〜午後9時。弁当は正午〜午後1時、好天時のみ販売。オムライス弁当(850円)、カレーライス弁当(600円)、ハヤシライス弁当(750円)。