ドアを開けるとピンクのワンピースにフリルの付いた白いエプロン、胸に大きな赤いリボンと花柄の髪飾りをつけたメードが出迎えてくれた。潤んだ目で見つめられ、イラストやポスター、グッズがズラリと並んだ店内に案内される。買い物客や観光客でにぎわう秋葉原駅近くのメード喫茶「ぴなふぉあ」には、アニメの中にいるような非現実的な世界が広がる。
午後2時、授業や仕事が休みの学生やフリーターが次々にやってくる。「昨日野球見た?」「この服、買ったばかりだけど似合うかな?」。客とメードは身の回りのことやパソコン、ゲームの話題で盛り上がる。たくさん話したいからか、飲み物やパフェを2、3回に分けて注文する人もいる。オムライスにケチャップで「萌え♡」と書いてもらい照れまくる男性。満面の笑みを浮かべている。「僕は週3回しか来ないけど、彼は常連だよ」「いやぁ、僕なんて週4回だからまだ常連じゃないよ」。謙遜(けんそん)しつつも「常連度」を競う。ハンドルネームで呼び合い、メルアドを交換するなど客同士の交流も盛んだ。
メードたちは接客からカクテル作りまで忙しく動き回りながらも、笑顔を絶やさない。アニメ好きなすずさんは「現実にいながらファンタジーな感覚が楽しめる、2・5次元を体験したくてメードになりました」。話題が豊富で気配りがうまいと評判だ。会えるかどうかは来店してみないと分からないが、話すのを楽しみに週4回訪れるファンもいる。
生き生きと話す客と優しく応えるメード。華やかな店内は終始笑い声に包まれていた。外に出ると、公園では休憩中のサラリーマンたちが疲れた様子で一服中。もくもくと漂うたばこの煙で、一気に3次元へと引き戻された。(浅利貴子)
|
|
オムライスとカプチーノには文字が入る
|
【ぴなふぉあ 1号店】
東京都千代田区神田佐久間町1の19(秋葉原駅、TEL03・5295・0123)。午前11時〜午後10時。90分制。
文字入れオムライス1000円、文字入れカプチーノ700円、メードのオリジナルカクテル1200円。