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2009.4.20(月)更新  東京トカイナカ探検隊
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東京トカイナカ探検隊
【東京トカイナカとは?】
都会のなかの田舎……。
つまり、世界有数の大都市・東京都でありながら、各駅停車しか停まらないという哀愁漂う駅周辺の町をわれわれはトカイナカと呼ぶのである。
そして、われわれ「東京トカイナカ探検隊」は、この哀愁の町に降り立ち、命をかけたり危険をおかしたり、辛いことをしたりはせずに、ひたすらゆるゆると周辺をさまよい歩くことで、どうでもいいけれどちょっと気になるビミョーな『お宝』を探し出すことを任務としているのである!

第9回 千代田線 千駄木駅
人生でサイコーな美味をダブルで味わう谷中旅!

 

【探検隊プロフィール】
森沢明夫
  森沢明夫(書き手)
作家。1969年、千葉県生まれ。ノンフィクション「ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三」で、第17回ミズノ スポーツライター賞優秀賞を受賞。小説「海を抱いたビー玉」は韓国でも人気を博す。近著に、絵本「ともだちのたね」、日本の海岸線を一本の線でつなぐ旅のエッセイ「渚の旅人」シリーズなどがあるほか、著書多数。B型、乙女座、ヒゲ、マッチョ♪ オフィシャルブログは、
http://blogs.yahoo.co.jp/osakana920
うぬまいちろう
うぬまいちろう(描き手)
リアルからヘタウマまで!21の多彩なタッチを使い分ける天才?イラストレーター。1964年、川崎生まれ。ライター、フォトグラファー、ドラマーという顔も持ち、スカイパーフェクTV、つりビジョンにレギュラー番組を持つ天然パラノイア。著書に、廣済堂出版『新日本疑似餌紀行』、山と渓谷社『トラウト&サーモンのルアーフィッシング』他がある。B型、牡牛座、ヒゲ&メガネのプチ・マッチョ♪
http://www014.upp.so-net.ne.jp/ichiro_web/
探検の前夜……。
僕は、友人の美空エリカさんのケータイに電話をかけた。

「明日ね、エリカさんのカウンセリングルームがある
千駄木に行くんだけどさ、
一緒にうぬまさんにドッキリを仕掛けてくれない?」
「えっ! もしかして、トカイナカ探検隊ですか?」
「うん。そう」
「わっ、おもしろそう! やるやるうっ!」
「ついでに、谷中を案内してくれる?」
「もちろんですよ。商店街で美味しいメンチを
食べながら、生ビールをぐびぐびっとやりましょう!」
「おおお。それ、サイコー!」

エリカさんは、超癒し系のカウンセリングでもって、
全国の悩める子羊たちを「さくっ!」とシアワセにしてしまう、
人気爆発中の占い師である。
しかも、占った後に、その人の人生にピッタリな言葉を
「書」にしてプレゼントしてくれるので、
「ことだま書家」という肩書きもある。

http://www.space-ku.com/index.html

↑↑ エリカさんのホームページはココ♪

「うぬまさんはね、車、戦車、ボート、機械、釣りが好きなのね。
で、愛車がよく故障して、修理代がバカにならないって言ってるよ。
あとね、最近、何度か、たんすの裏から出てきた女のお化けに
寝ているときに乗られちゃったんだって」
「うわ。こわーい。でも、そのネタ使えそう♪」
「むふふ。明日が楽しみだ」
「むふふ。楽しみですね」

そして翌朝……。 僕ら探検隊とエリカさんは、千駄木駅に集合した。
なんだかうぬまさんが青い顔をしているな、と思ったら、
「今日は下痢なの。しかも豆腐ダイエットをしてるから
ちっとも力が出なくてさ……」
とのことだった。
半年前の豆腐でも食べたのだろうか?
珍しく、風が吹いたら飛んで行きそうなくらいに
ヘロヘロに弱っている。
とりあえず、駅前の薬局で下痢止めを買って飲ませ、
エリカさんのカウンセリングルーム
「Space空ku」へと向かった。

「Space空ku」は、お香のいい匂いが漂う、
とても静かで落ち着く一室だった。
「それじゃあ、うぬまさんから占いますね」
いよいよドッキリ、スタートである。
エリカさんは、本名と生年月日、手相をもとに
偽のカウンセリングをはじめた。
そして、昨夜の打ち合わせ通り、
滅茶苦茶なことを言いはじめたのである。

「うぬまさんの前世は……軍人ですね。戦車とか乗り物に
深く関係した人だったようです」
「え? ボク、戦車とか、乗り物、好きなんですよ」
「でしょうね。あと、機械に好かれる人ですね」
「は? 機械に?」
「はい。例えば、車が自分から壊れて、直して!って
うぬまさんに訴えかけたりするんです」
「え……。うちの車、よく故障するんですけど……」
エリカさんは、そうでしょうね〜、という顔で微笑み、
ゆっくりうなずいている。なかなかの演技派だ。
うぬまさんは、あまりにも現実と占いが符合しているので、
まばたきを忘れて唖然としている。
僕はと言えば、もう必死に笑いをこらえていた。
「あとね、うぬまさんは、女性にも好かれちゃいますネ」
「えっ、じょ、女性にもっ?」
いきなり色めき立つ、うぬまいちろう♪
「はい。でもね、女性といっても……」
「いっても……?」
「足のない、女性です」
「え……そ、それって、まさか」
「前世で女性に悪さをしたせいで、
相手の女性が恨んで、たんすの裏に……」
「…………」
うぬまさんの顔がカチンコチンに凍り付いた。
と、そのとき。
「なんちゃって〜!」とエリカさん。
僕は床に転がって爆笑。
うぬまさんは、しばらく放心状態。
ドッキリ、大成功!

Space空kuにて


につづく)

 
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