表情豊かに 闇照らす
ふっくらした丸み、くびれ。表面に開いた無数の穴から柔らかな光がもれるーー。「いろんな形があって、見ているだけで心を楽しくするでしょ」。「ひょうたんランプ」を作って11年になる佐藤孔怡さん(48)の顔がほころぶ。
昨年の秋、陶器のまち・栃木県益子町にギャラリー「ひょうたんの灯(あか)りルーム」を構えた。扉を隔てた作業場には丸や細身など、さまざまな形のヒョウタンが並ぶ。その「素材の面白さ」が、制作意欲を駆りたてる原点だ。
思い描いたデザインに合う形を選び、一つずつ穴を開けていく。その穴にヤスリをかけ、ビーズを埋め込む。「同じデザインでも、形や色によって違った表情を見せてくれるんです」。形と、電球の光で浮かびあがる繊維の質感。細やかな細工を施しながらも、シンプルさを心がけている。
庭先には、薄緑色のヒョウタンが入ったバケツが並ぶ。8月下旬に収穫したばかりの「素材」を水につけ、10日ほどすると異臭を放って腐り、中身が溶け出す。加工できる状態になるまで約1カ月。そろそろ、本格的な制作活動の時期を迎える。工夫を凝らした新作ランプに、独特の温かさを持った明かりがともる日は近い。