静寂を破って鳴り渡る高音。地響きのように突き上げてくる低音。会場が豊かな音の波に包まれる。
東京芸術劇場では、月1回パイプオルガンのコンサートが開かれている。劇場のシンボルでもあるオルガンの音色を多くの人に知ってもらおうと、99年にスタート。昼のひと時に無料で楽しめるとあって、多い時は1000人以上が詰めかける。
総重量70トン、巨大楽器のパイプは9000本に及ぶ。素材や形、サイズは様々で、長いものだと12メートルにもなる。これらのパイプに風を送り込んで振動させ、音を鳴らす仕組みだ。
曲の合間に、からくり仕掛けのようにオルガンが横に回転し始めた。茶色く重厚なデザインとは打って変わった、白く現代的なオルガンが裏から表れると、観客席からどよめきが起きた。床の回転装置を使って、背中合わせの2台を入れ替えている。専属オルガニストの小林英之さん(51)は、「構造が違いますから、演奏に適した音楽も変わってきます。茶色い方はバロックやルネサンス、白い方はロマン派。1回のコンサートで幅広く楽しめますよ」と話す。
パイプオルガンには一つとして同じものが無い。建物の造りによって、オルガンの設計や規模も影響を受けるためだ。「様々な演奏会に出かけ、音やデザインの違いを比べてみると面白いでしょう」
オルガンの仕組みを学ぶ講座も隔月で開いている。間近に見学でき、実際に鍵盤にも触れる=写真右。終始歓声が絶えず、参加した女性は、「コンサートでの聴き方が変わってきそうです」。
「ランチタイムパイプオルガンコンサート」
次回は3月15日(木)、午後0時15分から30分間。未就学児同伴の場合は、ロビーでのモニター鑑賞。
▼「オルガン講座」=次回は3月15日(木)、午後2時。高校生以上対象。先着50人。事前にチケット(1000円)の購入を。東京・池袋の東京芸術劇場(池袋駅、TEL03・5391・2111)。