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2007.3.7(水)更新  特集/愛着の品に ひと手間加え
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 そろそろ衣替えや、引っ越しのシーズン。家の中を見回すと、長年タンスの奥に眠っていた着物や、小さい頃から使っている学習机など、捨てるに捨てられないモノがたくさん……。「思い出」はそのままに、ひと手間加えて、「使えるモノ」にしませんか。
大事に直す プロの技
家具の病院
この道40年以上という職人が作業する=横浜市西区の「家具の病院」の工場で。

 上野松坂屋の南館5階にある「家具の病院」。老舗(しにせ)の洋家具メーカー「ダニエル」の家具修理の窓口だ。塗装は「皮膚科」、キズ補修は「外科」、全面改造は「整形外科」など、六つの「診療科目」がある。申し込むと同社のスタッフが自宅などに直接「問診」に赴き、個々に相談に応じる。

 ユニークな名称は社長の橋保一さん(64)が発案。欧米などに比べて家具修理の習慣が根付いていない日本で「気軽に利用して欲しかった」という。

 横浜市内にある工場には、素材も傷み具合もさまざまの家具が持ち込まれる。修理はすべて、家具職人の手仕事だ。全国から依頼は絶えない。日本に赴任してきた外国人から、海外の家具を請け負うこともある。

 「家具を引き継いでいくことで、家族の関係も深めていって欲しい」と橋さん。「物を大切に使い、愛着を深めていく。人との結びつきも同じではないでしょうか」

  上野松坂屋(TEL03・3832・1111)。午前10時〜午後7時半。
  家具の病院(TEL0120・497669)。

悉皆コーナー
素材や状態をチェックしながら、じっくり相談に乗る=日本橋高島屋で。

 「娘の背丈に合わせて、丈を出して欲しい」「この帯でバッグを作れるかしら」。日本橋高島屋の呉服サロンに昨春登場した「悉皆(しっかい)コーナー」には、連日、着物を手にした客が訪れる。

 「シミ抜き」などのクリーニングから、元ある柄を抜いて新たな柄に染め直す「染め替え」まで、常時3人のスタッフが文字通り、「ことごとく」相談に乗る。着物が日常着だった江戸時代には町の至る所で見られたという「悉皆屋」がモデルだ。

 刺繍(ししゅう)一つをとっても「花柄ならあの職人に」。ネットワークの広さも、前身が呉服屋だった高島屋の強みだ。「『悉皆』はいわば、お客様と職人を結ぶ懸け橋なんです」と販売担当係長の渡辺みどりさん。

 亡妻がよく着ていたという着物を持ってきた男性がいた。普段自分で使える何かに出来ないかと相談を受け、袖なしの羽織へのリメークを提案した。愛着が詰まった品を扱うことが多いだけにプレッシャーも大きい。「お品を手にしたお客様の喜ぶ顔を見ると、私もほんとにうれしくなります」

  日本橋高島屋(TEL03・3211・4111)。午前10時〜午後8時。新宿タカシマヤにも、同コーナーが新設されたばかり。


※いずれも相談、見積もりは無料。
 
不用品、デザインで再生
      ――――美大生と協力 作り替えの試み

古い文机からベンチを製作。引き出し部分に照明を入れて幻想的に=昨年の野外音楽イベント「ap bank fes」に展示した作品。

 いらなくなった家具や廃材をデザインし直し、よみがえらせる――。家庭の不用品を回収する会社が、芸術家の卵たちと、こんな事業に取り組んでいる。

 回収した物のうち、リサイクルできずに廃棄処分場へ運ばれるのが約5割。特に木製の家具が多かった。「もったいないですよね」と、「ウインローダー社」の営業開発部長の嶋民仁さん(33)。

 デザインは都内の美大生に依頼。タンスが学習机に、テーブルがベンチにと、いつも斬新なアイデアが集まる。設計図をもとに、都家具工業組合などの職人が製作し、リサイクルショップで販売している。

 昨年夏、手持ちの家具を予算や希望に応じて作り替えるセミオーダーメードも始めた。「祖母の形見で捨てられない」「学生の自由な発想で作って欲しい」など、依頼はさまざま。相談、見積もりは無料だ。

 「捨ててしまうなら利用して面白い物を作ってしまおう、そんな気持ちで気軽に試して欲しいですね」と嶋さん。問い合わせはウインローダー(03・3390・2161)。

  ZOSEとエコデザイン研究所の試み展
 3月13日(火)〜17日(土)、午前10時〜午後7時半(13日は午後3時〜5時半、17日は5時まで)。東京都渋谷区神宮前5丁目の地球環境パートナーシッププラザ(表参道駅)。東京造形大大学院生の有志などによる展示会。中古家具をリメークした作品を展示。

 
 カフェでリメークに挑戦 
 お茶や菓子を楽しみながら、不要になった衣類や布を使ってエプロンや小物入れなどを作る「リメークカフェ」=写真は資料。NPO「エコメッセ」が運営するリサイクルショップ「水・緑・木地(すいりょくきち) 学芸大学店」で、毎月1回開催。裁縫道具、布など持参。各回10人。次回は4月18日(水)、午後1時。東京都目黒区碑文谷2丁目(学芸大学駅、TEL03・3791・7915)。

(2007年3月7日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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