木々の間から東京タワーが顔を出す。テーブル席でコンビニ弁当をほお張るサラリーマンやOL。その視線の先には墓地が広がる。「お墓を見ながらお茶するのはどうかと思ったけど、意外と落ち着くね」と、会社員の大橋純子さん(34)が同僚と顔を見合わせる。
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| 青江さん特製のわらびもちで「おもてなし」=光明寺で。 |
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オフィスがひしめく東京・虎ノ門にある浄土真宗・光明寺に「神谷町オープンテラス」がオープンしたのは2年前。若い人に、もっとお寺に来て欲しいと、この寺のお坊さんが発案し、人がまばらだった平日、本堂前のスペースを開放した。
昼時には十人弱のスタッフが交代で、コーヒーや和菓子で「おもてなし」をする。仏教に関心のある人やお坊さんなど、光明寺に縁があり集まったボランティアだ。「お寺に来た人に茶菓子を出すというのは、何百年、何千年と当たり前に続いてきたこと」と手作りの和菓子を出す青江覚峰さん(30)。普段は浅草にある寺の副住職でもある。
テラスには三十数席、奥にはゆったり座れるソファ席もある。毎日利用する常連客もいて、顔見知り同士で会話を交わすことも珍しくない。場所柄、外国人の利用客も多く、東京タワーに行ってくるあいだ荷物を預かって欲しい、と頼まれるのも日常の光景だ。
オープン当初、パソコンの無線LANがつながることから、キャッチフレーズは「ツナガルオテラ」だった。利用者がほとんどいなかったため、現在は停止中だが、「ネットの代わりに『人がつながるお寺』になった。うれしい誤算です」と青江さんが照れくさそうに笑った。
◆ 神谷町オープンテラス
東京都港区虎ノ門3丁目(神谷町駅)。開放時間は午前9時〜午後5時((月)(水)(金)の11時〜2時はスタッフが対応)。(土)(日)(祝)休み。臨時休業あり。料金は設定していないが、「お気持ち」をさい銭箱へ。