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2007.5.29(火)更新  特集/街なか カエルめぐり
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 ユーモラスな見た目で昔から日本人に愛されてきたカエルたち。6月6日はケロ(6)ケロ(6)で「かえるの日」です。実物、アート、神様など、カエルめぐりをしてみませんか。
 
モリアオガエル
モリアオガエル=井の頭自然文化園で
 実物見て「危機」を知る

 体長20センチ、まるで漬物石のように大きなウシガエルがのっそり動くと、見ていた子供が歓声をあげた。傍らの女性が見入っているのは、そら豆のようにつやつやした、きれいな緑色のモリアオガエルだ。オタマジャクシの水槽には足の生えかけたものもいて、カエルの体の不思議さに改めて驚かされる。

 東京・吉祥寺の「井の頭自然文化園」の水生物館で7月1日まで開かれている特別展。ニホンアマガエルをはじめ9種のカエルを展示して、録音した鳴き声を流し、生態や現状をパネルで説明する。タイトルは「カエルのピンチ」とうたう。

 確かにカエルのすめる水田や川べりは減ってきた。昔から日本人になじみの深いトノサマガエル(トウキョウダルマガエル)は足に吸盤がないので、コンクリートで固められた側溝をよじ登れない。最近では、あまり姿を見かけなくなってしまった。

 環境の変化に加え、「過去最大の危機」も迫る。オーストラリアやパナマのカエルを激減させた病気「カエル・ツボカビ症」が日本にも上陸した。「カエルを飼っている人は、野外に放したり、死んでも土に埋めたりしないで」と飼育係の荒井寛さん(45)。ツボカビ症がいったん野外で広がると対処のしようがない。「打てる手は輸入生物に関する法律を整備することくらい」

 黒目がちのつぶらな瞳をきらめかせて、水槽の中でじっとしているカエルは、まるで自分たちの今後に思いをはせているように見えた。これから日本のカエルはどうなってしまうのか。心配で目が離せない。

  井の頭自然文化園
 午前9時半〜午後5時(入園は4時まで、水生物館は4時45分閉館)、東京都武蔵野市御殿山1丁目(吉祥寺駅、TEL0422・46・1100)。400円、65歳以上200円、中学生150円。小学生以下と、都内在住・在学の中学生は無料。(月)((祝)の場合は翌日)休み。

 
「蛙(かえる)の人力車と郵便夫」
「蛙(かえる)の人力車と郵便夫」
 「蛙号」飛び交う友の会
    河鍋暁斎記念美術館

 カエルのグッズを1点以上持っていること――。埼玉県蕨市の河鍋暁斎(きょうさい)記念美術館に事務局がある「かえる友の会」の唯一の入会条件だ。

 毎年7月から8月にかけて、館内で「かえる展」を主催する。自作の写真集から、小学生がこつこつ小遣いをためて買ったおもちゃまで、会員自慢のカエルコレクションがずらりと並ぶ。「コレクターというのは、孤独なもの。そんな人たちの交流の場になれば」と館長の河鍋楠美さんが20年ほど前に提案し、十数人が集まって発足した。「かえるの日」も、会員の一人が日本記念日協会に申請登録したものだ。

 暁斎は、幕末から明治期にかけて活躍した狩野派絵師で、3歳にしてカエルを写生し、自らカエルの灯籠(とうろう)をデザインするなど、無類のカエル好きで知られる。作品にも、当時の戦乱や文明開化の世相を映したカエルが数多く登場する。

 現在、会員は300人を超す。小学生から80歳まで、中には教授の肩書を持つ会員もいるが、お互いを雅号ならぬ「蛙号(あごう)」で呼び合い、「かえる談議」に花が咲く。「みんな会えば情報交換に夢中で、懇親会の料理も残るほど」。気が付けばそれほどカエル好きでなかった楠美さんの「カエルコレクション」も、1000点を超えていた。

  河鍋暁斎記念美術館
 午前10時〜午後4時、蕨市南町(西川口駅からバス、TEL048・441・9780)。7月1日(日)〜8月25日(土)、暁斎が描いた数々の動物画を展示する「動物百態」展と「第21回かえる展」を同時開催。300円、中〜大学生200円、小学生以下100円。(木)、7月26日〜31日休み。

 

銀座を見守る「安全カエル」
「安全カエル」  交差点を挟んで和光、三越を見据える東京・銀座の銀座四丁目交番。
 屋根には、2匹の「安全カエル」=写真=がちょこんと座る。14年ほど前、交通安全週間の一環として設置されたもので、無事故で家まで帰れるようにとの願いが込められている。

火事を消し止めたがま池のカエル
がま池のカエル  東京都港区麻布十番1丁目の十番稲荷神社(麻布十番駅、TEL03・3583・6250)の鳥居の横にある大小2匹のカエルの石像=写真
 江戸時代にこのあたりで大火があった際に、大名の邸内の池に住むカエルが水を吹きかけて猛火を退けた、という言い伝えにちなんだもの。同神社の「かえる御守」(500円)は防火、やけどに御利益があるとされ、「無事かえる」「若がえる」にかけた信仰も。

カエルグッズの専門店
 「FROGS(フロッグス)」
 東京都目黒区自由が丘2丁目(自由が丘駅、TEL03・5729・4399)。午前11時半〜午後8時。(水)休み。おすすめはビーチサンダル(カエルの顔型577円、カエル柄399円)。

 「Cave(ケイブ)」
 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目(吉祥寺駅、TEL0422・20・4321)。午前11時〜午後8時。(木)休み。本染めのがま口(2500円)、バッグ(8610円)が人気。


かえる展 ふりむけば……かえる
かえる展  5月29日(火)〜6月3日(日)、正午〜午後7時(3日は3時まで)、東京都渋谷区代々木4丁目のフリュウ・ギャラリー(参宮橋駅、TEL03・5350・1303)。
 カエル好きの「カエラー」を自認するオーナーの呼びかけで8組のカエラー・アーティストが集結。カエルをモチーフにした切り絵や木版画、ガラス作品などを展示する=写真

(2007年5月29日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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