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2007.7.24(火)更新  特集/地ビールの実力
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 屋外でスキッとビール!もいいけれど、地ビールの味わいに浸るのもまた、一興。「土産物」のイメージがありますが、本来は職人が小規模な醸造所でつくるビールのこと。熱意と理想と技がつまった1杯に出会える、そんな店を紹介します。
 
青木さん
サーバーの取り付けもこなす青木さん
 味わい重視の風吹く

 壁にずらりと整列した地ビールサーバーの前で、「麦酒倶楽部ポパイ」の青木辰男さんが次々と注文に応える。常時40以上ある樽からおすすめを聞くと、出てきたのは「ライジングサン・ペールエール」という1杯。赤褐色で、あのこんもりとした泡がない。それでも青木さんは「このビールは、泡がなくてもいいんだよ」と言う。飲んでみると、炭酸を感じない。その代わり、柑橘系の香りと濃い味わいが、口の中に広がった。

 「地ビールに求められているのは、作り手の味」と青木さん。その「うまさ」を伝えるため、店にある40銘柄すべて、それぞれの個性に合うように炭酸量や注ぎ方を変えている。「職人のカンと技術に頼る地ビールは、二度と同じものができない。そこが楽しいよね」

 地ビールの製造が解禁されたのは94年。現在、全国200から300の醸造所で1500銘柄が生まれている。ファン層の中心は、「『ゴクゴクぷはっと飲むのがビール』という先入観のない20〜30代」と日本地ビール協会の小田良司会長は言う。

 大手メーカーのビールの中でも、「高級なプレミアムビールがここ数年売れ続けています」(サントリー広報部)。小田さんは、「香りと味を楽しむ地ビールへ風はきている。でも順風満帆というには、まだですね」と今後への期待を込めて話している。

 ◆麦酒倶楽部ポパイ
  東京都墨田区両国2丁目(両国駅、TEL03・3633・2120)。よなよなリアルエール662円、富士桜高原麦酒ヴァイツェン609円ほか。午後5時〜11時半。(日)休み。

 
ベアードさん
ベアードさんの季節ビールは年間40種類にものぼる
ベアードビール
まずは香りから
 職人の個性が売り

 静岡県・沼津港のほど近く、干物工場が立ち並ぶ場所にある醸造所。ここで米国出身のベアード・ブライアンさんと妻のさゆりさんが「ベアードビール」をつくっている。定番の7種と季節限定の商品がそろう。

 醸造所の近くにはパブ「タップルーム」を開く。店の一角でビールをつくり始めた頃は、1回の仕込み量は30リットル。「それでも足りるくらいお客さんが少なかったんです」とブライアンさんは当時を振り返る。現在は全国の約100の飲食店で取り扱われる。週末は遠方からの客も多い。

 ベアードビールの特徴はホップの香りの高さ。ホップは種類によって、フルーティーな香り、ミントを思わせる香りなど違いがある。「それを大胆に強調しています。中小のメーカーは個性的な味が売り。そこに作り手の哲学があるんですから」  その言葉を確かめようと飲んでみる。黄金色の「ウィートキングエール」はぐーっと飲めるさわやかな味。濃い色の季節限定「ストロベリーフィールドミルクスタウト」は香ばしさの中に、地元のイチゴを使って出すほのかな酸味を感じる。今までに出会ったのことのない多彩な味だ。

 「その日の気分や一緒に飲む相手によって種類を変えると会話も弾みますよ」とブライアンさんはすすめる。

 タップルーム
 静岡県沼津市千本港町(沼津駅からバス、TEL055・963・2628)。定番7種はグラス500円ほか。沼津ラガー、レイニーシーズンブラックエールなど季節限定商品も。午後5時〜午前0時((土)(日)(祝)は正午から)。(火)休み。

 

色と香りと味を飲み分ける
瑠璃と紅赤  埼玉県川越市にあるコエドブルワリーは、ドイツから招いた醸造職人仕込みの製法でビールをつくる。昨年10月に完成したブランド「COEDO」は今年、食品の国際品評会「モンドセレクション」ビール部門で、最高金賞を受賞した。さわやかな飲み口と苦みのある「瑠璃(るり)」=写真左=と、地元で採れたサツマイモを使った、赤い色と強い甘みが特徴の「紅赤」=同右=の2種。瑠璃は魚料理、紅赤は肉料理など、料理に合わせて楽しめる。

 【小麦市場】
 埼玉県川越市福田(川越駅からバス、TEL049・228・0800)。樽生5種のほか、瓶ビールも販売。ミニサイズ200円から、小550円から。料理は「小江戸黒豚ソーセージ」(同手前、980円)ほか。午前11時〜午後4時、5時〜11時((土)(日)(祝)は通し営業)。(火)休み
 ■8月25日(土)、「COEDOビール祭り」。三芳町の三芳工場(TEL049・259・7735)で工場見学や音楽ライブなど。



ワインのように香りを楽しみ、味わう
スイーツビール  マスカットに似た香りが特徴の、サンクトガーレンの「ゴールデンエール」。対照的に、味は意外なほどすっきりしている。「味と香りのバランスがとれていて、飽きのこない『いっぱい飲めるビール』なんです」と社長の岩本伸久さんは言う。  今年5月、定番の4種類に「スイートバニラスタウト」「黒糖スイートスタウト」の2種類の「スイーツビール」を加えた。「香りをかいで味わう」ビール文化を広げたい、という思いからだ。

 【サンクトガーレン】
 神奈川県伊勢原市石田(愛甲石田駅、TEL0463・92・5001)。樽生は、6種類中4種類を入れ替えて出す。Lサイズ735円、S525円。午後5時〜11時。(日)(祝)休み
 ■9月30日(日)まで、東京都目黒区の「自由が丘スイーツフォレスト」で、クレープとスイーツビールのコラボレーションメニュー(写真は一例、セットで1300円)を提供。


ジャパン・ビアフェスティバルin横浜
 9月15日(土)〜17日(月・祝)、横浜市中区の大さん橋ホール(日本大通り駅)。約120種の地ビールの飲み比べが楽しめる、「日本最大の」祭典。4000円(前売り3500円)。問い合わせは日本地ビール協会(0798・70・0911)。

(2007年7月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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