街道・寺社ツアーなどの講師を務める金沢正脩さん(63)の案内で、不動尊巡りをしてみた。金沢さんの解説によると、五色不動尊は徳川家光が定めたという伝えによって一躍有名に。江戸の人々も盛んに巡ったという。「当時から続く不動尊巡りを体験して、江戸の人々と心を通わせてみるのも一興」と金沢さん。
まず、関東最古の不動霊場とされる「目黒不動尊」。「江戸名所図絵」にも描かれている。門前町の面影はすでにないが、毎月28日の縁日には、多くの屋台が並び、不動尊前の商店街は人出でにぎわう。
サクラ並木で有名な目黒川が秋の日差しに輝いている。そぞろ歩きながら金沢さんは「江戸の人々の寺社巡りは、信仰とレジャーを兼ねたもの。そんなに娯楽がなかった時代。門前での食べ歩きは大きな楽しみだったようです」と話した。
文京区の目赤不動尊では、バス1台借り切って白衣姿でお参りしている団体と会った。千葉県から来た石合満子さん(76)は「不動巡りは年一度のお楽しみ会。元気で過ごす活力にもなるし、みんなでお参りすることで心が一つになる」と参拝の魅力を語る。
それにしても、目赤とか目青とか、実際、不動尊の目はどうなっているのだろう。世田谷区の目青不動尊の本尊は秘仏で公開されていない。「ここの本尊は目が本当に青い」というウワサも。住職の林英寛さん(60)に確かめると「私も10年前に一度拝みましたが、不動尊の名前は目の色に由来するわけではないので確かめていません」。
五色不動尊は、都内に点在しているので山手から下町までそれぞれの街の魅力を体感できるのも楽しみの一つだ。