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2007.12.11(火)更新  特集/中央線で絵本の街めぐり
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中央線で絵本の街めぐり


 独特のパワーで文化を発信し続ける中央線沿線の街々。こんな「絵本文化」がありました。絵本を扱う店が集まり、絵本作家も住んでいます。

子どもたちとジオラマを見る神沢さん 子どもたちとジオラマを見る神沢さん(右)
三鷹 ウーフの世界を再現

 好奇心旺盛な子グマを描いた絵本「くまの子ウーフ」や「ふらいぱんじいさん」などの代表作で知られる、東京都三鷹市在住の児童文学作家、神沢利子さん(83)の作品世界を紹介する展覧会が、同市・三鷹駅前の市美術ギャラリーで開かれている。

 半世紀にわたって愛され続けている神沢作品を読者の目線でとらえようと、小中学生から高齢者まで、市民約200人が協力して企画、運営する。約130点の原画のほか、作品世界を再現したジオラマなどを展示している。

 神沢さんは、69年から同市で暮らす。三鷹は、与田準一さんをはじめ絵本にたずさわる作家が数多く住んでいた。「彼らの魅力に引きつけられて」、引っ越してきたという。人が人を呼び、「絵本文化」が育まれている。

 そんな街の特質を生かそうと、三鷹市は、政策の一つに「みたか・子どもと絵本プロジェクト」を掲げる。今回の展覧会はその一環だ。また、09年度には子どもが絵本や自然と触れあうための施設「星と森と絵本の家(仮称)」を開設する。同市大沢にある国立天文台の官舎だった大正時代の建物を改修し、絵本の読み聞かせのほか、天文学や自然科学を体感する場所として活用する予定だ。



 ◆「トコトン!神沢利子展」
 1月13日(日)まで、三鷹市美術ギャラリー。問い合わせは神沢利子展プロジェクト事務局(0422・45・1151)。

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 中央線沿線は「こだわりのある絵本の店が集まっている」と、絵本雑誌「MOE」編集部の森下訓子さん。今回の神沢利子展をはじめ、最新の絵本情報を伝える専門雑誌の作り手として動向を見つめてきた。

 先駆けの一つに挙げられるのが吉祥寺の絵本専門店「トムズボックス」。編集者でもある店主土井章史さん(50)ならではの品ぞろえや原画展示などが評判を呼び、週末ともなれば、地方からの客や自作の絵本を持った若者でにぎわう。


ユニークな店 じわじわと

 土井さんは「周辺に絵本専門店はほとんどなかったですね」と、93年の開店当時を振り返る。ここ数年、絵本店、絵本を置くカフェや雑貨屋、古書店が増えており、口コミで客が集まっている。

 もともと沿線はフォークやロックなどの音楽が盛んで、文化の発信地といわれた。豊かな文化基盤が「絵本文化」へと引き継がれたらしい。店と客、お互いが気張らないという自由な気風もユニークな店を成り立たせている理由の一つという。

 絵本が長く読み継がれることを願う土井さんは、一時的なブームではなく、「じわじわ」と中央線沿線のような広まり方がふさわしい、と思っている。


国立  なごやか「家庭文庫」
 「絵本が面白いことを知って欲しい」。今年で13年目を迎えた「国立やまびこ文庫」=写真=は、子どもも大人も集う本のある遊び場。都内では少なくなった家庭文庫の中でも貴重な存在だ。主宰の代田みち子さん(57)は「異世代同士が同じ感動を共にするところに良さがある」と話す。「読み聞かせの時間」や、花や木の実など旬のものを持ち寄る「季節の便り」の発表では、参加者が夢中になって聴き入る姿が見られた。

 ◆国立やまびこ文庫 国立市富士見台4丁目の代田さん宅(TEL042・576・3474)。隔週(木)の午後2時〜6時。読み聞かせなどをする「おはなし会」は3時から。

なごやか「家庭文庫」
西荻窪 相性合う店見つけて
 カフェ「三月の羊」の一角にある絵本屋「ねこひ」=写真=には、元図書館司書のオーナー芹沢久子さん(31)が選んだ約100冊が並ぶ。国内外の絵本を扱う古書店「にわとり文庫」では、乳母車を引いた女性にまじり中年男性の姿も。店主のこだわりが感じられる書店が多い西荻窪。「相性の合う店を見つける楽しみがある」と、この街に事務所を構えるライターの北尾トロさん(49)は話す。

三月の羊 午前11時〜午後7時((日)(祝)と12月中の(土)は6時まで)。(火)(水)休み。問い合わせは03・3394・6260、http://www.rum-lamb.com
にわとり文庫 正午〜午後10時。(火)休み。問い合わせは03・3247・3054。
相性合う店見つけて
高円寺  個性行き交う街で
 「フラメンコのドレス姿で歩いていても違和感がない街」と、ブックカフェ高円寺書林を営む原田直子さん(58)。「高円寺は表現者が多い」という。仕掛け絵本を眺めながら紅茶やお酒が飲めるサブリエル・カフェ=写真=のオーナー桐谷果甫さん(44)も、雑多でいきいきとした雰囲気にひかれた。個性的な人々が行き交う街だからこそ、大人も気軽に絵本を楽しめるという。

茶房 高円寺書林
 午前11時半〜午後10時。問い合わせは03・6768・2412。無休

サブリエル・カフェ
 午後3時〜午後11時((土)(日)は正午から、(日)は8時まで)。(月)休み。問い合わせは03・3336・9112。
個性行き交う街で


(2007年12月11日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください。)
 
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