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2008.2.26(火)更新  特集/大人も楽しむ ひなまつり
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大人も楽しむ ひなまつり


 美しい顔、あでやかな着物――そんなひな人形に魅せられ、自分のために買う女性が増えています。本来、女の子の誕生と健やかな成長を願う「ひな祭り」ですが、いま、「大人の女性」の間で静かな人気です。

団塊女性、自分のために

 「子どもの頃、人形を買ってもらえなかったが、大人になって経済的に余裕ができ、自分のために人形を買い求めに来ている。そんな話をお客さまからうかがっています」

 千葉県松戸市の秀月人形チェーン柏店の向後保夫店長(55)はそう話す。同店には、赤ちゃん連れなどに交じって、1人で訪れる年配の女性客が目につくようになったという。

 こうした客層には、赤やピンク色を使った華やかなものではなく、濃紺や紫色などの渋めの色調で落ち着いたデザインの人形がよく売れているそうだ。

 日本人形協会によると、ひな人形の売り上げは60年代をピークに減少傾向にある。しかし、明るい兆しをみせているのが、団塊世代を中心とした女性たちの動向だ。

 着なくなった自分の着物を使って作る人形のオーダーメードも人気で、団塊世代はひな祭りに対して「感度の高い世代」という。

 ひな祭りの楽しみ方も変化しつつあり、観光や町歩き型イベントに人気が集まっている。千葉県勝浦市や埼玉県鴻巣市などでは、自宅で飾らなくなった人形を市民が持ち寄って飾る催しが開かれている。年々観光客は増え、昨年はいずれも10万人を超える人出でにぎわった。

 また、「雛(ひな)のつるし飾りまつり」(静岡県東伊豆町)、「真壁のひなまつり」(茨城県桜川市)のように、地元の旧家に伝わる雛人形を公開する催しも全国各地で盛んだ。

にぎわう「ご当地祭り」

静岡・稲取
 うさぎや花、ハト、とうがらし、金目鯛(きんめだい)。色鮮やかな布人形がゆらゆらと揺れる。赤ちゃんの手のひらサイズの人形を、糸でつなぎ合わせた「つるし飾り」。静岡県東伊豆町の稲取温泉で江戸時代から伝わる風習だ。女の子の健やかな成長を願い、ひな人形の両脇に飾る。

 同温泉では「雛のつるし飾りまつり」を開催中。約百年前に作られた作品など、街のあちこちで手作りの飾りが見られる。今年は8カ所で制作体験もでき、人気を集めている。

 千葉から一泊で訪れた夫婦は「生まれてくる子どものために、体験教室に参加しました」。真剣な顔つきで一針一針、丁寧に布を縫い合わせていた。

 ◆メーン会場=雛の館「むかい庵(あん)」、文化公園雛の館
3月31日(月)までの午前9時〜午後4時半。入場料200円。問い合わせは旅館協同組合(0557・95・2901)。
千葉・勝浦
 2万5千体以上の人形を各所に飾る「かつうらビッグひな祭り」が千葉県勝浦市で開かれている。

 期間中、商店街では「朝市」を開催。観光客を喜ばせているのは、おいしそうな鮮魚や安価な加工品だけでなく、各店が工夫を凝らしたひな祭りの装飾だ。喫茶店の階段の七段飾り、古美術品屋のショーウインドーに飾られた古代びな、魚を売るテントの中にも親王飾りが目をひく。

 市民会館や図書館では、全国22県60種の郷土びな、御殿びななどを展示。懐かしそう見入る女性たちの姿が目立つ。遠見岬神社の60段の石段に並ぶ1200体の人形は圧巻だ。

 ◆3月3日(月)まで。詳細は問い合わせを。問い合わせは市観光商工課(0470・73・1211)。
かつうらビッグひな祭り
埼玉・鴻巣
 埼玉県鴻巣市では、「鴻巣びっくりひな祭り」を開催中だ。会場の市役所では、高さ約6メートル、26段のピラミッド型ひな檀(だん)をはじめ、内階段や2階通路に計2070体の雛人形を飾り、訪れた人を「びっくり」させている。

 3年前、町おこしを目的に、地元有志が広報誌やネットで呼びかけたのがきっかけ。今では飾られなくなった人形が全国から送られてくるという。

 「会場まで見に来られ、自分のおひな様を見つける人もいます。不思議とわかるんですね」と、実行委員会の生川朋会長は話した。

 ◆3月2日(日)までの午前9時〜午後5時(2日は正午まで)。問い合わせは実行委(090・8309・2008)。
鴻巣びっくりひな祭り
茨城・真壁
 茨城県桜川市真壁町。見世蔵や土蔵、門など104棟の建物が国の有形文化財に登録され、江戸時代からの街並みが残る。観光客をもてなしたい、という住民の声から5年前に始まった「真壁のひなまつり」。150軒以上の商家や民家を開放し、ひな人形が飾られる。

 「昨年と展示方法を変えました」と話すのは、洋品店を営む川嶋孟さん。江戸末期に建てられたという蔵には、ひな人形や色とりどりの小道具、着物が並ぶ。見せ方を変えたのは、毎年足を運んでもらいたいから、という。

 ◆3月3日(月)まで。期間中、つくば駅と真壁町を結ぶ特別バスが運行。往復料金1500円、小学生750円(2日間有効)。詳細は問い合わせを。問い合わせは市商工観光課(0296・55・1111)。
真壁のひなまつり


(2008年2月26日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください。)
 
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